KnightsofOdessa

万引き家族のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
3.0
[無難なバランス感で優勝] 60点

今年のカンヌコンペは酷評以降どこにも出品されていないケシシュの新作を含めて鑑賞難易度が高すぎる気がするが、去年のカンヌは珍しく野良でも全作品を制覇出来る年だった。そんな中でも個人的な鑑賞難易度が一番高かったのが、パルムドールを取った本作品だった(一番最初に公開されたのにね)。理由は色々あるが、そもそも是枝作品を一本も観たことがないからというのが一番大きいかもしれない。集大成とか言われると新参者が適当に鑑賞するには全く適さないであろうから。

そこまで賞レース対策オンリーの映画とまでは感じなかったが、確かに松岡茉優の存在は完全に空気だった。コンペの他の作品を考えてみると『アイカ』の方が貧困描写は苛烈だし、子供の描写も『存在のない子供たち』の方が生き生きとしているし、本作品はどれを取っても無難っちゃ無難。このバランス感だからこその受賞なのかもしれない。
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