てんやもん太郎

万引き家族のてんやもん太郎のレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
4.7
今更、初めて観た。
そして、連続で立て続けに観てしまった。
映画リテラシーの低い自分には一回では無理だった。
なんて良く出来た作品なんだろう。
そんなこと誰しもが思ってるだろうけど。

是枝監督は人間の行動、心理、生理への理解、いや、把握が広く深い。
僕には一生かかっても、到底見えないような景色が見えているんだな。

これも当たり前だけど、脚本がとてつもなく良く出来ている。
何がすごいって、大事な台詞が、さりげなく散りばめられていて、
その散りばめられ方、組み合わせ方、ぼかし方みたいなのが、
よくそこまで細部に目が届くなと。
あとそれぞれの役のバックボーンとかも。
それぞれのシーンもだけど!
いや、当たり前なんだろうけど、本当に凄くないかこれ。
めちゃくちゃ良く出来た数式みたいな。
理屈、理論を丁寧に積み重ねてとんでもない高みへきたみたいな。
だから理解できない、凄み、感動みたいのは感じない。

俳優も当たり前だけど凄い。
最初の一家団欒で、もう目を奪われた。
みんなそれぞれ勝手に喋っている。
リズムもバラバラ。
それが凄くリアルにみえた。
台詞、動き、リズム、反応も丁寧にしがちだけど、
それぞれが雑に扱うところが生っぽくて。

そして安藤サクラ。
眼が!
目は口ほどに物を言う。
もう眼が素晴らしい。
眼だけど全部語れるやないか!