ayuka

万引き家族のayukaのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
-
いやあ、



よかった、
みてよかった、

とても政治的な映画だと思う。
何事においても、特に人間の関わる出来事は、表面に見えてるものよりももっと複雑で絡み合っていて、完璧には他人に語ることはできない。
“ある一軒家に住む血のつながっていない人たちが、少女を誘拐して住まわせていました”っていうテレビの報道を見たらゾッとするじゃない。
実際起こっていたことは、その人々の感情や、彼らの育ってきた環境は語られない。
報道ってそういうところが多いのではなかろうか。実際はもっと複雑でもっとたくさんの物語や感情があるのに。

日々の生活でも同じように。
機嫌の悪い友達は、前日とても悲しいことがあったのかもしれない、とかさ。

偏見とか先入観とかが先行しがちだと思うんですが、今こそそれを変えるべきじゃないかな。貧しい”一家”だから誘拐したに違いないし、殺人したに違いない、とかそういう偏見。

ニュースで実際そんなミステリアスな報道を見ないこともない。私たちがそういう報道にもつゾッとした印象は正しいのかな?報道に踊らされてないだろうか?

ただ一家のしたことが正しかったことなのか、そこは曖昧になっている。曖昧だよね、そんなものは。
この家族のみんながこういう道を歩むしかなかったのは社会の仕組みによるものだから。普通の生活が保証されないことが分かっていた結果の生活だったんだ。なんだかすごくどうしようもないって気になってきてしまったけど、こういうこと考えることが大切なんじゃないかな。


脚本みごとでした、、ほんとに
ちょっと描いて全体像を見ている人に分からせるというね。丁寧に描かれた物語とキャラクターだった。
ayuka

ayuka