みむさん

150ミリグラム ある女医の告発のみむさんのレビュー・感想・評価

3.0
ヨーテボリ映画祭の過去作セレクションで。

フランスのセルヴィエ社の尿病薬メディアトールによる重大な副作用と死亡に関する告発の話。女優としても活躍するエマニュエル・ベルコ監督作。エリック・トレダノが俳優として出ていた。
日本ではWOWOWで公開されたきりのようだ。

北フランス、ブレストの大学病院で心臓弁に損傷を受けた患者、複数の共通してメディアトールを服用していたことに気づいた大学病院医師のアイリーンが患者のために真相究明へ。

患者を思う気持ちが強く、国家機関や企業の圧力と周囲の不安をはね除け信念を貫くアイリーンは尊敬してしまう。個人vs巨大権力の場合、個人が圧倒的に不利な立場に陥り酷い時には命の危険もあることも他の映画で描かれていたが、彼女の場合はそこまで崖っぷちではなく協力者がいたことと、プレッシャーを跳ね返す強さがあったのが救い。
家族とアントワーヌの存在は大きい。
そしてアクションが早い。告発本を出してもらえないなら自分で出すし。

こういう人があまりいないから表沙汰になってないだけで実はこの事件は氷山の一角かもしれないという薄ら恐ろしさもあり。

2008~2011年あたりの出来事、そんな遠くない過去の話なんだな。