きぬきぬ

150ミリグラム ある女医の告発のきぬきぬのレビュー・感想・評価

3.8
糖尿病治療薬が心臓弁膜症を引き起こす副作用があると、診察する患者により気づいた地方都市の女性医師が、調査チームと共に薬の販売中止を求めて大企業である製薬会社に、まさしく闘いを挑む実話を元にした作品。

医師として患者を思いやる心と、意志と熱意の強さは我が身を顧みず、没頭し過ぎて家族や周囲を振り回し置き去りにし、孤独な闘いを強いられることもあるけれど、患者の苦しみや命の為に諦めることも退くこともない。医師としての誠意が彼女を突き動かしているから、だからこそ彼女の味方が現れる。
製薬会社や政治的圧力にも負けず、突き進むエネルギッシュな女性の姿は、ときにはハラハラするし、独善的な面も見えるけど、潔過ぎて、凄い人はいるのだなあと感心せずにいられない。

彼女が告発しなければ、見過ごされていた副作用による数値化された被害者数に震える。しかも薬害訴訟どころか、それまでにその前に薬害を認めさせるまでの苦難を描いていてスリリングさもある。



女性医師と薬害を調査したチームの要である教授が、調査結果を出した後、結局、権力の圧力に負け、彼女から離れることを選んだ臆病さを決して責められないし、彼も苦しんでいただろう、ブノワ・マジメルが演じていたけど、お腹がぼってり出てたなあ。
きぬきぬ

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