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劇場版 仮面ライダービルド Be The Oneのdm10foreverのレビュー・感想・評価

3.8
【途中経過】

先日、TV版を一気に駆け抜けてスピンオフの「~クローズ」も観て「あとはこっちだね~」なんて息子と言いながら何気なく鑑賞を始めたんですが・・・

ん?
なんか話が変だぞ?
あれ、これって最終回で決着つきませんでしたっけ?

・・・失念しておりました。
この作品、いわゆる「夏映画」として劇場公開となったものなんですが、この時の公開日が8月4日。
仮面ライダーの年間スケジュールは9月末でグランドフィナーレということを考えると、まさにTV版が佳境を迎えているタイミングに公開していたんですね(笑)
なので、状況としては最終回直前ってとこね(すでに最終回まで進んでしまった時間軸を脳内で微調整)。
物語上はTVシリーズの45話と46話の間のエピソードらしい。
そうか、だからグリスもローグもまだ・・・
っていうか、もう佳境も佳境じゃん!


・・・これは難しいよね。
いわゆる「大人の事情」的な匂いもプンプンしますわ。
最終回のオチをここでバラす訳にもいかないけど、かといって全く流れにも乗らないようなトンチンカンな話をやってしまっても盛り上がりにも欠けるし・・・。

でも、そこはさすがビルド。
TVシリーズでも触れられている部分に「肉付け」をするような形で、本編を邪魔しないようにスピンオフ部分だけを膨らませていた。
そういった意味では、いい意味で「バランスが取れた作品」とも言えるし、穿った言い方をすれば「ムリして挟むエピソードではなかったかな」とも言える。

もちろん面白かったんだけど、いよいよ佳境っていうぶっとい直線でTVのストーリーを絶賛放送中のところで、若干流れにも影響しそうなエピソードを「劇場で」という流し方をしてしまうと、タイミングや住んでいる場所の問題で観にいけないという人も大勢いたと思うんですね。

確かにこのエピソード自体は観ていなくても全然違和感なくTVのストーリーは繋がるんだけど、これを間に挟んでから見るとやっぱり気持ち的な部分ではどうしても印象は違っちゃうかな。
特に「北都、西都、東都の知事たちのエピソード」に関してはTVでもチラッと顔見せ自体はやっちゃってるのに、彼らがどういう意味を持つのかはこの劇場版を観た人だけがわかるっていう仕組みだしね・・・。

そういった意味では「映画としてはとても面白いけど、別になくても成立する映画」という微妙な雰囲気・・・。

いや、この作品が悪いんじゃないんです。
「TV版の放映サイクル」に対して「劇場版の毎年の公開時期」が決っている以上、TV版を逸脱した内容を劇場版で描くこともできないし、かといって当たり障りのないスピンオフ作品ばかりを上映されても、子供たちが劇場に大挙して訪れるとも思えない。

描いても支障のないギリギリの線を探りながらTV版と同時進行で撮影してたって考えたら、なかなか大変な作業だよな・・・って思う。


・・・っていう大人の懸念を他所に、うちの子供はあっさりと受け入れていた様子。
きっと普段から入浴剤の代わりに柔軟剤でも入れてるんじゃないだろうかっていうくらいに、ヒーローものの「アレコレ」に対してはレノアよりも柔軟だ。

ある意味、お父さんよりも大人なのかもしれない。
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