KJ

劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジ LOVE キングダムのKJのレビュー・感想・評価

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まさかアラフォーにしてこれを観ることになるとはよ

危惧していたことではあるけど、劇場に男子は自分だけ
間違って女子風呂に迷い混んだかの如し

モーションキャプチャーによるダンスのリアルなクオリティがすごいなと思った

俺は、元知識が全くない。完全なる初見で観た

今、姪っ子がズブズブにハマってて
「一回でいいけん!行ってみよーよ!!」と、観たことないテンションで勧誘されて
「これも経験かぁ……。人生ってスゴいや!」
あんなに購入ボタン押すのに緊張したのは初めて。社長に「俺もう辞めるわ」って言ったときより緊張した

18人いるアイドルたち(男性です)
18人にそれぞれ推しがいるわけで、よーするにAKBグループのように、個性がそれぞれにあって、誰かのストライクに刺さるわけだろう

元々がゲームで、アニメにも展開して、最古のファンは10年近くになるらしい
AKBがハネたくらいの時期で、ゲーオタの女子たちの一部は、声優推しなりキャラ推しなり、ここに突っ込んでいったのだろう
10年の思い入れはそりゃすごい

アイドルというカルチャーの、クオリティがすごいと思う
心からアイドルをやりきってる
俺はわりと好きだけど、大野くんとかぱるるとか、スーパービジネスアイドル香取くんのような、ちょっと抜いてくるキャラは1人もいない
アイドルたるアイドルが18人もいるわけだ

3グループの合同イベントという設定なので、3曲歌うごとにMCが入る
18人全員知らない俺
MC毎回18人全員2~3分しゃべる
100分くらいの映画で、50分はトーク
でもこれは人体の不思議
18人全員がいわゆるクッサイことを2~3分順番に話す
なんと伝えたらいいのか
「ボクのエンジェルたち!今夜はボクの夢を見てね!」みてーなことを18人が言う
一つもボケずに、一つも照れずに

これはアイドルをやりきってるわけだ
感心したと同時に、頑張って理解しようとしていた自分に異変が起きた
「確かに聞いてるはずなのに、何を言ってるか全然わからん!」
ポルトガル語であっても、もうちょいニュアンスくらい掴めそうなもんだ
それが、日本語のはずなのに、全く何を言ってるかわからなくなった

全くもってディスってはなくて、これだけの世界観を作り上げているという点においては感心した
女子たちが、この世界に浸っちまうのも得心いくなと思ったもの
ま、映画館で見回した時に、この年この時期をここにぶちこむのはもったいないんだけどなとも思うけど、本人が満足しているのだから、とやかく言えないし権利もない
現実にいないクオリティのアイドルの理想像がそこにあるのだし

とはいえ、アラフォーのおっさんがハマりはしない
ただ、未知の世界をのぞかせてもらった!という感覚か
人生は経験だからね

ちなみに姪っ子は、昨日で11回目だそうだし、彼女の友達は30回行ったらしい
偏執するエネルギーが一番強い時期に、こんなクオリティのコンテンツに出会った彼女たちは、それでもなお実は幸せなのだろう
何かに夢中になったという経験は、なにものにも代えがたい
それが人生の潤いとなるか、黒歴史になるかは人それぞれだが、どちらでもいいと思う

日本は平和だし、仕事するために仕事をし、趣味もない人生は乾いている

スコアはつけようがないので、やめときます。
そんなことより、あの空間に突入したオッサンの勇気を誰か誉めてくれっ!
KJ

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