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祈りのleylaのレビュー・感想・評価

祈り(1967年製作の映画)
4.2
ジョージアの山あいの村を舞台に、キリスト教徒とイスラム教徒の対立を描く。映像の叙情詩であり宗教劇のようだけれど、宗教よりも人間の心(美しい心と醜い心)にフォーカスしている。監督の祖国愛を感じます。

白と黒、光と陰のコントラストで、善悪を表しているのが印象的。どのシーンも1枚の写真のように完璧な構図に圧倒される。遠景から映す山や人々、吹雪の雪原や葉の舞い落ちる林、祈りを捧げる女性たち…。とにかく映像が美しい。劇伴の荘厳な雰囲気が相乗効果となった総合芸術。

セルゲイ・パラジャーノフ監督の作品の舞台アルメニアを思い出したのは、同じコーカサス3国という近しいお国柄でしょうか。

「人の美しい本性が滅びることはない」冒頭のこの言葉が今作の根っこでした。
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