映像に関わる仕事をしているので…ネットなどに溢れている「心霊動画」などを見ても「おれにも簡単に作れるし…なんならもっとうまく作れるし…」とか思う…
そんなおれが今まで観た中で一番怖かった心霊動画…
それは…何かの施設のロッカールーム…
狭い通路の壁に靴を入れるくらいの小さなロッカーがずらりと並んでいる…
そのロッカールームの天井近くに設置された防犯カメラの映像…
無人である…
突然…ジジッと画面にノイズが走って天井の蛍光灯が明滅したかと思うと…ひとつのロッカーの扉がいきなり開いてすぐに閉じる…
バンッバンッ!
「え?」と思うと…
次に部屋中のロッカーがアトランダムに開閉を繰り返し…
突然止む…
それで終わり…
「一体その映像の何が怖いの?」
まあ一種のポルターガイスト現象的な動画なのですがもしこれをインチキで作ろうとすると…ひとりでにロッカーが開閉する仕掛けを作るしかない気がするのです…
そんな手間と費用をかけてこの動画を作ったとしても全然怖くない「不思議な現象」動画である…誰がそんなモノをわざわざ作るだろうか?…
だからこれを観たおれは「これは本物ではないか?」とぞっとした訳です…
怖くないのが怖い…
「ゴースト・ストーリーズ 英国幽霊奇談」
イギリス映画でこのタイトル…
始まってみればオカルトのインチキを暴くテレビ番組を作ってる教授が憧れの心霊研究家の依頼を受け「どうしてもトリックが見抜けなかった」3つの事件を調査することに…
そしてこの3つのお話がオムニバス形式に描かれるのですが…
これがもう非常にオーソドックス…まるでホラー映画の教科書のような作り方…
ホラー映画を見慣れた人ほど退屈で怖くないのかもしれない…
こういう基本に忠実な作り…おれには充分怖かったです…
変に奇をてらった演出より平凡かもしれませんが、基本に忠実なホラーはやっぱりおれは怖いです…
そして、3つのお話が終わり…こんな感じで終わるのかな…面白かったな…と思っていると…え?
え?
え?
これは面白い!飛び上がりました!
なんか意味不明のカットや気になるシーンがあるとは思ってたんだ…
何もかもが仕掛け…
人間の脳は見たいものを見る…
目に見えてるすべてが真実とは限らない…
TSUTAYAの棚にこういうのが紛れてるからやめられない!
冒頭の話…
心霊動画…そんなに自信があるんなら自分で作って金儲けすればいいじゃないですか?という人もいる…
不純な動機でそんな動画を作って本当の霊に目をつけられたらどうするんですか?
おれは怖いんですよ…
今…この瞬間にも…あの無人のロッカールームで扉がひとりでに開閉を繰り返しているのかと思うと…