しゅん

ラジオ・コバニのしゅんのレビュー・感想・評価

ラジオ・コバニ(2016年製作の映画)
3.0
ISに一時占領されて瓦礫となった街・コバニでラジオ放送を始めた女子大生のドキュメンタリー。

序盤、もはや人かどうかも疑わしいレベルで損壊した遺体がモザイク無しで映される。おそらくはISの犠牲になった人達だろうが、あまりの凄惨さに憤りを覚える。
やはり恐ろしいのは、これはフィクションや遠い過去の話ではなく、現在進行系で起きている出来事だということ。もちろんISだけでなく、ウクライナをはじめ世界中で。日本は島国だからここまで凄惨ではなかったかもしれないが、空襲や沖縄戦もあったし程度の差はあれど似たような状況だったんだろう。

街が解放されて戻ってきた人達にそれほど笑顔が無かったこと、むしろISの構成員を殺した時の笑顔がすごく良かったことがむしろ恐ろしい。
後半の「戦後の日常」シーン、すごいな。本当にただの日常風景なんだけど、所々に戦争を感じる。元IS兵士へのインタビューなんて、日本では映画やドラマでしか見られないよなぁ。

「戦争に勝者などいません。どちらも敗者です。」
しゅん

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