夫が作家の老夫婦。その夫がついにノーベル賞を受賞。なのに映画は冒頭から地雷原、棘の草原を進むかのような展開が続く。
報道関係者は居心地の悪い作品だと思う。「ノーベル賞受賞者のパートナー」の扱いについて単なる添え物、物語を高める手段扱いしている事を批判している要素もある映画だから。
ただ妻とは何かというそう単純な物語ではなく妻と夫の共犯関係からの始まりがあり、その妻の行動は作家になったが売れなかった女性が男性優位の社会の現状を嘆きお前もダメなんだよと呪いの言葉でがんじがらめにした事が全ての発端だったようにも見える。
演劇的な作品でシーン転換は少なく夫婦間で饒舌なやり取りが続く。その中で男女格差、才能格差、愛と憎悪と嫉妬、あらゆる感情に観客は翻弄される事になる。
夫が最後に妻に語ったセリフが全てだろう。