幕の内弁当みたいな作品。女性の成長というストーリー、話としては珍しい展開が続くが混沌としすぎている気がする。
が、13歳の女の子が抱く淡い感情を丹念に描かれている。
夜盲という病におかされた13歳の女の子のある夏のお話。
無知でして、夜盲という病をはじめて知りました。鳥目みたいな症状なんだね。覚えておこう。明るい場所では見えても暗い場所は見えない。今まで見えていた景色が見えないって怖いね。当事者じゃないから軽率なことは言えないけど、想像するだけで怖い。
バカンスに来ていた島で一頭の黒い犬に一目惚れしたアヴァ(ノエ・アビタさん)は、その犬を盲導犬にしようと飼い主から盗み出す。その飼い主との恋愛、逃避行を描かれた今作。
病を扱った映画としてはアクティブな作品だと思う。鬱屈した気持ちをグロテスクな映像で映し出し、けれど屋根に登り目隠しをして歩く、受け入れ、生きていかなければという前向きな意思を感じた。
黒い犬の飼い主ホアン(ホアン・カノさん)はあまり信用できない男な気がするんだけど、アヴァの強く生きていきたい、という気持ちが彼の野生的な考え方・立ち振る舞いが恋に目覚めさせたのかなぁと感じる。
が！ホアンが絡んでからの話が少し入り組みすぎていて置いてきぼりをくらってしまった感が強い。
アヴァの成長という視点では有りなんだけど、もう少し感情移入できるような話であれば良かったかな。退廃的すぎる気もする。
映像はお洒落。
アヴァの不安と苛立ちが含まれた感情は目を塞ぎたくなるようなものがあり、彼女をより理解出来た。
あんな豪快なM字開脚はじめて見たの笑 驚いちゃった、しかもモザイク無いし笑
その前のグロテスクな映像も結構驚き。
斬新な映画で面白かったんだけど、描きたいことが沢山有り過ぎたイメージの作品だった。
ストーリー : ★★★☆☆
映像 : ★★★☆☆
設定 : ★★★☆☆
キャスト: ★★★☆☆
メッセージ性 : ☆☆☆☆☆
感情移入・共感 : ☆☆☆☆☆
