高円寺ぱか

シューマンズ バー ブックの高円寺ぱかのネタバレレビュー・内容・結末

シューマンズ バー ブック(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

絶対家で飲みながら見ようと決めてました。妙に、というと変なのだけれど敢えて言うと、妙におもしろかった。

『シューマンズバーブック』でお馴染みのシューマンが世界中のバーを巡り、バーテンダーと語らう。このタイトルだとバー文化入門とか総論とかに見えるが、NHKでやっている俳優のヨーロッパ紀行に近い。基本はシューマンを追う映画なのだと思う(俳優ばりにかっこいいし)。だが彼はさすがバーテンダー、相手のオモシロをするする引き出していく。

彼らの語る内容の脈絡は最小限に抑えられている。ニューヨーカーが昼間から5,6杯も酒を飲むこと、禁酒法の影響によるバーテンダー空洞時代、女性バーテンダーの地位向上、かつてのドイツでのバーの悪印象、ヘミングウェイについて、先祖代々の製法への誇り、初めてのデート。それがたいへん功を奏している。彼・彼女らは社交的で、ほとんどシューマンを立てる。だがひとつ語り出すと、言い方は悪いかもしれないが、みーーーんな自信満々で「俺が/私が正しい」という感じなのが面白い。

構成に茶目っ気が入るのも良い。シューマンズバーブック作成秘話の後、シューマンは基本計量しないと言わせるのは趣深いというか。また、ウィーンのバーのオーナーが「タランティーノなんかここに通うために一週間延泊よ。サインを求める客がいないから」と言った直後にチャールズにサインもらってるの爆笑した。

シューマンが気に入っているためか、日本編が長いのは嬉しい。もちろん、自国礼賛などではない。近ければ行けるからだ。絶対飲みに行こ…