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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのshihoのレビュー・感想・評価

4.4
やはりタランティーノ監督は人がなんかやっているのを撮るだけでめっちゃ面白い!ということを再確認した。画面への信頼感がすごい。

ブラピ、元々全然好きじゃなくて「なんかオイシイ役どころが多い有名なサル系イケメン」としか思ってなかったんだけど、今作を観たらいい感じに年取ってて、役どころも余裕と分別のあるちょっとアブないイケおじでとても良かった。スターのオーラを消せるの凄い。

レオナルド・ディカプリオ様も演技がピカイチ。小太りのおじさんになっても魅力的なのは変わらないなぁ笑(その点ブラピは体仕上がってて更にスタイル良〜!ってなりましたww)
このキャラはダメなところもあって、深酒して短気起こしたりわりとすぐ泣き出しちゃうところとか、8才の女の子に役者魂見せられた後自分を鼓舞して頑張るところとか愛おしかった。レオ様の出演作を網羅しているわけじゃないけど、これまで完璧な張り詰めた演技をするような役を多く見てきたから、こういうちょっと抜けているような役もやるとまた新しい良さが出ていいなと思った。
主演二人とも余裕があるんだよな。役を与えられてカメラを向けられても自然に息が出来ているような感じだった。監督と俳優さんの信頼関係や、撮影の雰囲気もあるのかもしれない。

観終わってから、「面白かったけどなんか掴みどころのない部分があったな…?」と思って解説を見て回ったらそういう話だったのか…!とびっくりと同時に現実に起こった事件が残酷過ぎて心にダメージが残った。観る前から知ってたら見方が変わっただろうけど、何も知らなくても楽しめたのでどっちがいいのかは分からない。カタルシス的なものは知ってる方が感じられるとは思う。約50年前、というのがポイントかな。時間が経っているから、民衆の当時の生々しい感覚は風化しているというか…。

総合的にはかなり良かったし理解も出来るんだけど、色々を今日知った私にはまだそれを織り混ぜて作られた作品をエンタメとして消化し切れない部分があった。

なんとなく陽キャ版『アンダー・ザ・シルバーレイク』みたいでもあった。
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