このレビューはネタバレを含みます
マンソンファミリーの事件、ロマンポランスキーの妻シャロンテートが殺害されたハリウッドを震撼させたものを扱っている。
カルト集団が当時,,最も勢いに乗っていたロマンポランスキー監督の妻であり、女優が、彼らの家に押し入って殺害した。
この事件を無かったことにするために、タランティーノは、リックダルトンとクリフを彼らの隣に住まわせて、マンソンファミリーのヒッピーたちをボコボコにしてしまう。
もしかしたら、多くのハリウッド関係者が望んでいたイフをタランティーノは描いたのかもしれない。(ただのギークじゃなかったっけ?という疑問がよぎるがひとまず置いておく)
小説の方も併せて読んでみたが、それぞれが同じ舞台,時間,キャラクターを共有しながらテーマは、小説が「俳優の生き様」だとしたら、映画の方はよりクリフの凶暴性とマンソンファミリーとの対峙にあるようだ。
ただ、個人的には160分というかなりの長尺のなかで、タランティーノらしいテンポ感やごちゃ混ぜ感はあまりなく、淡々とした印象。全体的にタランティーノ優等生バージョンのような感じ。
もっと濃密にはちゃめちゃなハリウッドの世界やヒッピーの時代感を詰め込むと期待していただけに、肩透かしを食らった気分。
全体としてはまあまあ面白いが、タランティーノにはもっと面白い映画があるという感想。