たけちゃん

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのたけちゃんのレビュー・感想・評価

4.7
努力してるよ!


クエンティン・タランティーノ監督 2019年製作
主演レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット


はい、行ってきました!
初日朝イチでございます(ˆωˆ )フフフ…
なんで、平日金曜に行けたのかというと……
先日、土曜出勤したので、振り替えて休みました。
やっぱり映画が観られる日に休みたい( ˘ ˘ )ウンウン

そして、今日は!
タラちゃんの新作ですからね。
そりゃ、楽しみになるわけさ。
朝5時には起きていた←エンソクマエノコドモカ…





さて、映画です。
いやぁ、本当に面白かった。
実は中盤から後半にかけて、嫌な感じがしたんですが、裏切られました。見事でございます。
何が?っていうのは、ネタバレになるので、後半にね(笑)

タラちゃんと言えば、セリフの面白さで、ストーリーは添え物のような感じもあるけど、今作は珍しくと言ったら叱られるけど、見事な脚本でしたね。
いつもながら、セリフの面白さでグイグイ引き込まれるんだけど、ちょっと分かりづらくもあるの。
小説のような章立てがお好みのタラちゃんですが、今作は3つのストーリーが進んでいくので、人によっては分かりづらい。苦手な人、いるでしょ?(笑)
でも、そこが今回のポイントです。
いわゆるグランドホテル方式ですね。

まずは、主人公レオナルド・ディカプリオ。
彼が演じるリック・ダルトンって、テレビ出身のハリウッド・スターなんだけど、ちょっと落ち目なんだよね。
落ち目の俳優が、その自分を如何に受け止め、超えていくかという話はサブストーリーだけど、すごく好き。

そして、そのリック・ダルトンの付き人のような立ち位置で、彼のスタントマンを兼ねるクリフ・ブース。ブラッド・ピットが演じてます。
日の当たらないスタントマンを演じながらも友情を忘れない彼は見た目と違う良い人でしたよね。
その彼はあるヒッピーの娘と出会いがあるんです。
それがどう絡むのかな~と思ってたら……です。

3つ目が隣人のロマン・ポランスキーとその妻シャロン・テート。特に、シャロン・テートですね。
ちょっと知っている人なら、彼女のその後も知っているわけで、それが重要な伏線となります。
そのシャロンをマーゴット・ロビーが、まぁ、なんとも魅力的に演じていました!流石だわ。


その三者に、さらに色んな人物が絡むわけです。
また、60年代当時の世相も反映していてね。
それが本当に面白くて、飽きさせない。
細かい話もいっぱいしたいけど、ここではね( ¯−¯ )フッ
ちなみに、僕はタラちゃんの一個下なんで、ヒッピーリアル世代ではありませんからね~(ˆωˆ )フフフ…
でも、映画好きがそばにいるなら、観た後に感想戦がしたかった~( ˘ ˘ )ウンウン







さて、ストーリーは語りませんが、ちょっぴりネタバレ混じりで俳優の良かったところを。
ストーリーを抜きにして、演出や演技を観るだけでも相当に面白いですからね。

タラちゃん、映画の撮り方が上手いよねぇ。全然、飽きさせないもんね。例えば、リック・ダルトンとクリフ・ブースが登場するシーン。絵の口元のアップから始まり、引いて、初めて絵の全体が映るとか、焦らしが実に上手い。

演技では、まず、レオナルド・ディカプリオ。
ハリウッド・スター役が本当に上手い。
コマーシャルシーンとかめっちゃ面白い。
今回の彼はテレビ俳優役なので、様々な作品に出演しているの。それがどれも面白そうで(ˆωˆ )フフフ…
「タナー」
「マクラスキー 14の拳」
「賞金稼ぎの掟」
とか、本当にあってもいいし、全部タラちゃんに撮ってもらいたいわ( ˘ ˘ )ウンウン
あと、「大脱走」のシーンは笑ったなぁ。

リック・ダルトンのスタントマン、クリフ・ブース役ブラッド・ピットは、影武者のようにリックに似せていて、最初はブラピだって分からないくらい。上手いよねぇ。
そして、彼の愛犬が、また素晴らしくて。
最後まで大活躍!

シャロン・テート役のマーゴット・ロビーは、実在の人物なので、難しいんですが、実にキュートで魅力的でした。
僕の知るシャロン・テートって、やっぱり悲劇の主人公でしたが、タラちゃんは、そうした悲しいまま止まっている時を動かすために今作を作ったんでしょうね。僕はちょっと、というかかなり感動しました。


その他、アル・パチーノはやっぱり存在感、抜群。
昔はそうでもなかったんだけど、最近は彼の声の魅力に痺れています( ˘ ˘ )ウンウン

カート・ラッセルは、わりと残念なおっちゃん役でしたし、ダコタ・ファニングはまさかの役で可愛さゼロ。
本当にシャロン・テートと親交のあったブルース・リー役のマイク・モーとかスティーブ・マックイーン役のダミアン・ルイスとかね。
それぞれ驚いたけど、みんなタラちゃんの映画なら、どんな役でも出るんだろうね( ¯−¯ )フッ




さて、最後に、音ネタ💩ウンチクンです。
これは、もう、60年代から70年代にかけての音楽が好きなら、サイコーの作品でした。
ただね~、タラちゃん、つまみ食いというか、あまりにもちょっぴりずつ使うし、エンドロールのクレジットも一瞬で、酷い(笑)

なので、印象的な使われ方をしたものと、僕の趣味でのチョイスになります。いつもの全曲解説はさすがに出来ません……。


リックとクリフが車で走るシーンで流れるのは、ロイ・ヘッド&ザ・トレイツの「Treat Her Right」です。僕は聴いたことなかったんですが、1965年のヒット曲だそうです。いかしたナンバーだなぁ。こういうロカビリー調の曲、好きなんです( ˘ ˘ )ウンウン


ロマン・ポランスキーが登場するあたりで流れたのがディープ・パープルの「ハッシュ」。
1968年にデビューしたディープ・パープルのデビュー作が「ハッシュ」ですからね。スマッシュヒットしたこの曲は、まだハード・ロックバンドというよりはサイケデリック・ロックよりでしたから、ロマン・ポランスキーの登場シーンにはぴったりでした。
また、ディープ・パープルとしてはセカンドアルバム「詩人タリエシンの世界」から「ケンタッキー・ウーマン」も流れていました。


どこで使われているのか、全く覚えられませんでしたが、ポール・リビアとレイダースというバンドの曲が3曲も使われていました。タラちゃんのお気に入りなのかな?当時、アイドルバンドとして人気だったとか。
まずは1966年のヒット曲「Good Thing」、そして、同様に1966年の「Hungry」。
そして、1969年の「Mr.Sun, Mr.Moon」です。でも、3曲とも意外と好きでした(笑)


ロックン・ロールの「Jenny Take a Ride」もどこで使われたか分からないのですが、これも生かしてましたね。ミッチ・ライダー&ザ・デトロイト・ホイールズの1965年の曲ですが、これは知ってました!


そして、バフィー・セント・メリーが歌う「The Circle Game」。この曲はジョニ・ミッチェルの曲なんですが、本人は1970年のアルバムで初めてレコーディングしたもので、その前は、このバフィー・セント・メリーのカバーで知られていました。なんせアメリカン・ニューシネマの名作として知られる「いちご白書」の主題歌でしたから。


おなじみサイモンとガーファンクルの「ミセス・ロビンソン」も流れましたね。
こちらもアメリカン・ニューシネマで、言わずと知れたダスティン・ホフマン主演の「卒業」の主題歌で、1968年に発表されています。


「夢のカリフォルニア」は、ママス&パパス1965年のヒット曲。
映画では、盲目のスパニッシュギタリスト、ホセ・フェルシアーノのメランコリックなカバーが使われていました。


そして、ヴァニラ・ファッジの「You Keep Me Hanging On」。1967年発表のこの曲は、当時のサイケデリックムーブメントを代表する曲でもありますね。
実は、原曲はモータウンのシュープリームスの曲。それをロックアレンジしたものですが、これがめちゃめちゃカッコ良い( ˘ ˘ )ウンウン
ヴァニラ・ファッジって、オリジナルメンバーにカーマイン・アピスやティム・ボガートもいて、僕はグルーブ脱退後に組んだジェフ・ベックとのベック・ボガート&アピスなんかを通じて知っていました。


サントラ盤には他にも収録ナンバーがあるんですが、あとはあまり詳しくないので、このへんで。




そんな音楽もサイコーだったワンハリ。
まだまだ小ネタがありそうなんで、おかわりを検討中です(ˆωˆ )フフフ…
歴史が分かった方が楽しめるのは間違いないですが、個人的にはタラちゃん作品で一番好きになりそうです。よろしければ、ぜひ( •̀ω•́ )و✧


追記:2019年9月8日
ユナイテッド・シネマ札幌IMAXにて鑑賞

ラストシーンを観ながら、こんな歴史なら良かったのにね、というタラちゃんの思いが伝わり、ジーンと来ました( ˘ ˘ )ウンウン