いののん

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのいののんのレビュー・感想・評価

5.0
観終わったあと、とても気分が良い。
あとからあとから、じわじわ・ふわふわする。


これは、記憶を優しく讃美するような映画だと思う。讃美といったら語弊があるのなら、記憶に寄り添い、記憶を愛撫し、人生を丸ごと肯定するような。深く傷つき、傷ついたことにさらに傷つき、いつまでも辛い記憶に囚われている者に対しても、その囚われの鎖を断ち、新たな記憶の始まりとなることで、その傷を癒すような。


映画の記憶、映画館に足を運んだ時の記憶、テレビドラマを愛した記憶。映画への愛はモチロンのこと、テレビドラマへの愛、演者への愛、裏方への愛、友への愛。そのドラマや映画を愛してきた者たちへの愛。友愛に満ちた映画。映画にしか出来なかったこと。タランティーノは、円熟味を増し増している。


私はタランティーノ作品を観るようになってまだ半年。その間、皆さんに色々教えていただいて、ここまできたけど、タランティーノ監督作品の、どれを推すのか、皆さん本当にそれぞれで、どれか1作品だけに集中することがなくて、私はそのことにとても感じ入っている。それは、タランティーノが、ひとつところに、留まってはいなかったことを意味するんじゃないかと思う。映画大大大好き少年であることは、もうずっと一貫しているんだけど、年を重ねることに、描き方が変化してきた。あるいは、年を重ねたからこそ、ようやくやりたかったことができるようになってきたということもあるのだろうし、だから逆に、若い頃にしかできなかったものもあるのだと思う。(でも、この映画は、ひとつところに留まり、量産する映画やドラマのことも、否定していない。)


ディカプリオ、初めていいなって思いました(すみません)。ディカプリオが演じるリック、自身のピークは過ぎたのかもしれないことへの怖れ、でも、俺にはまだやれることがある、俺にしかできないことがある。その揺れが、すごく良かった。涙を目にためた感じがたまらない。少女との共演の場面、とても好き。あの少女も、すごく良い。


ブラピは、この映画の色といちばん似合っていて、アロハシャツも、ハリウッドの日射しも、すごくブラピだった。腕時計がかっちょ良かった。わんこ🐶:ブランディ、好き好き好き。できたら、ブランディを引き取りたいくらい。ずっと相棒として暮らしたいわん。そしたら、片時も離れず、一緒に暮らすのわんわん。


マーゴット・ロビーの美しさ。映画館のシーン、祝福された思い、いつまでも忘れないと思う。(「豹/ジャガー」はわかりました!) ブラピが車に乗せた女の子も、めっちゃかわいい♪


最後に、ふんわりした気持ちになった。ふんわりと、地上から数mくらい、浮遊している気持ちになって、それが、すごく気持ち良い。


初日夜に観賞。あした、もっかい行く予定。


【追記】
私のアイコンはネズミです。
エンドゲームでは、役に立ったネズミも、今作ではそうはならず。いつも、オススメにホイホイ飛びつくネズミを象徴しているようでした。笑
いののん

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