はい、はい、ここにもいました。「パスト ライブス／再会」のヘソンのように、よせばいいのに昔の恋人に会いに行っちゃう人が(製作年度はこちらが先)。マックスという男は作家だと言うので最初は安心して、彼の言葉に耳を傾けていましたが、この男、実に図々しいし、未練がましいし、身勝手です。アポも取らずに昔の彼女の職場に行ったり、自宅まで押しかけちゃうんですからね。このマックスをステラン・スカルスガルドという俳優が演じているんですが、これが実にいいんですよ。まあ演技というより、この人の顔と佇まいがいいんですけどね。インテリジェンスを匂わせながら、少し寂しそうに人に語りかけるようなを目で見てくる。そうすると慇懃無礼な行いをされても、なんだが注意出来ないんですよね。あと、カーステレオでボブ・デュランの「I Want You」を選曲しちゃったりするんだけど、直ぐに昔の彼女に止められちゃうんですよ。そりゃそうですよ。いきなり"I Want You"なんて言う言葉を聞かされたら、いくら昔付き合っていた女性でもやめてくれってなりますよ。まあ、ダメ人間が嫌いな人はこの映画に辟易するでしょうが、ダメ人間に抵抗がない私は楽しめました。
