さしすせ

ヒトラーを欺いた黄色い星のさしすせのネタバレレビュー・内容・結末

ヒトラーを欺いた黄色い星(2017年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

1943年、ナチスドイツは首都ベルリンのユダヤ人根絶を宣言。
しかし実際には、約7000人ものユダヤ人が"The Invisibles"として潜伏し続け、最終的には約1500人が生き延びた。

今作は生還者であるツィオマ・シェーンハウス氏、ルート・アルント氏、オイゲン・フリーデ氏、ハンニ・レヴィ氏の4人の証言を基にしたドキュメンタリー風のもの。

彼ら4人が生き延びたことを知った上で観ても、どうかナチスにばれないでほしいと、死なないでほしいと、祈るような気持ちだった。

ルート氏に隠れ家を手配したキリスト教徒のゲール夫人。
そのルート氏をメイドとして雇ったドイツ国防軍のヴェーレン大佐。
オイデン氏にそっと煙草を差し出したドイツ人女性。
ハンニ氏をまるで娘のように匿った映画館受付の女性。
彼らの証言に登場するのは、ベルリンで同じく戦禍をみてきたこうした市井の人々。

"わたしたちが大切にしてきたことがあるの。
わたしたちを助けてくれた人々の話をすること。
違うドイツ人もいたってことよ。"と語るルート氏。

"1人の命を救ったひとは世界を救ったも同然なのだ。"と言うツィオマ氏。

極限の状態に陥った時、相互監視という特殊な環境で、一瞬先の命さえ分からない中で、何を大切に出来るかということ。

「ヒトラーを欺いた黄色い星」という邦題が残念でならない。
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