おなべ

グッバイ、リチャード!のおなべのレビュー・感想・評価

グッバイ、リチャード!(2018年製作の映画)
3.5
◉「あなたの余命は、あと180日です」と言われたら、あなたならどうする?という問いかけに、大学教授のリチャードならこうするよ、という答えを提示した作品。

◉あらすじは割愛。余命わずかな人生観や死生観を考えさせられる、全5章構成のヒューマンドラマ。絶賛話題沸騰中の《ジョニー・デップ》が主演を務める。

◉人は死を意識する事で初めて、自分のやりたい事や大切なものに目を向ける。人はいつか死ぬと分かっていても、実感が湧かないのが普遍の摂理。日常をいたずらに消費し、毎日を惰性で生きる人々に向けて、本当に大事なことは何かを改めて気付かせてくれる、感動必至の秀作だった……というのは建前で、全体的に気になる点が散見され、最後まで感情移入できず。












【以下ネタバレ含む】












◉主人公リチャードの深掘りがイマイチな印象。どんなに正論で良いことを言ってるとしても、それらの言説に説得力がなく、行動が伴ってない気がした。実際に、優れた実績や人格者の節があったとしても、本作の内容だけでは説明不足かと。

◉また、余命宣告後のやりたい放題加減も気になった。余命宣告されたら、不倫や職務中のドラッグなど、何をしても許されるのかい?というモヤモヤ。奥さんに不倫されたり、余命宣告されてヤケになるのは分かるけど。

◉過度に煽るBGMも野暮ったい。煽りすぎはよくない!

◉メッセージを伝えるには、多少強引な直進するラスト。「ご主人様、頭大丈夫かな…」と、イッヌの気持ちを考えると不憫でならなかった。
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