Nちゃん

グッバイ、リチャード!のNちゃんのレビュー・感想・評価

グッバイ、リチャード!(2018年製作の映画)
4.2
美しい妻や素直な娘と何不自由ない暮らしを送る大学教授リチャードは、医師から突然の余命宣告を受ける。
追い打ちをかけるように妻から不倫を告白され、娘からはレズビアンだと告白される。
死を前に怖いものなしとなった彼は、残りの人生を自分のために謳歌することを決意。
ルールや立場に縛られない新しい生き方はこれまでにない喜びをリチャードに与え、そんな彼の自由な言動は周囲にも影響を及ぼしていくが、死は確実に近づいていた。


この映画を素晴らしいと思える人間で自分が本当に良かった。
死は誰にでも起こるものなのに、死が近くに訪れるまでは他人事のように思えて、いざ身近に迫らないと実感など湧かない。
死を回避することなど出来やしないけれど、リチャードのように死を宣告され必然と死と向き合うことになってしまってからのリチャードの奔放に生きる態度が、これこそ死を身近に感じた人間の実際に取る行動なんじゃないかと思って、リアルさがやけにリアルだった。

酒を浴びるように飲み、ドラッグをやりまくって、たまたま行ったバーの店員を口説いてトイレでヤる、したいことや今まで出来なかったことを散々した後は、親友に感謝の言葉を伝え、家族に愛してると伝える。それがたとえ自分が嫌いな相手と不倫している妻にさえも。

きっとこの後リチャードはそう長くはないだろう。それでも死ぬまでリチャードは道なき道を行くタイプであって、そのように進んでいくだろう。(現に道路では草っ原を走っていった)

個人的にリチャードを尊敬している生徒たちが愛くるしかった。素直でいい子たち。

記憶に留めときたくなるセリフがたくさんあって素敵だった。
ぶっきらぼうで皮肉で返す言葉ばかりが多いリチャードを見事に演じきったジョニーデップが凄かった。
ただのカメレオン俳優じゃないね。本物。
Nちゃん

Nちゃん