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グッバイ、リチャード!のtkmのレビュー・感想・評価

グッバイ、リチャード!(2018年製作の映画)
3.8
冒頭で、(治療をすれば1年〜1年半)、何もしなきゃ180日(半年)と末期の肺ガン・余命宣告をされる大学教授リチャード。

※そのシーンの直後に、劇場の同じ列の人が前を通って入ってきたので、何か見逃したかもしれないし、その人は肝心なところが観れてないじゃないか!

好き勝手やってる妻に対し、今までいい夫をやって来たが自分も自由にやる!という展開に。娘には今まで通り向かい合う。学生たちにも…。

ミニシアター系のこの作品、リチャード(ジョニー・デップ)が病に蝕まれ死にゆく姿を皆で支えて悲しんで見送って…といういわゆるお涙頂戴では全くなくて安心したし、そうでないと思ったから観に行ったのである。

とはいえ、彼がガンであることを知るのはごくごく一部の友人のみ。あのまま消えていくのかと思ったよ本当に…。

酒やマリファナ、パブのお姉さんとピーなどはちゃめちゃではあるんだけど、生徒たちには「"生存している"ことと"生きる"ことは違う」(みたいなこと)とハッキリ言っていた。

ただそこにいるだけで、生存してるだけでいいのか、生きていると言えるのか?自分らしく、楽しく、頑張って生きているのか?人生って?考えちゃいました。

それでも死は迫ってくる。いよいよ実感する。
悲しませようとしない演出でも、淡々と告白するシーンはただただ涙が出てしまったよ。とても、リアル。

最後もこのまま淡々と終わっていくんだろうと予想はできた。
これは生きるとは何かを説教する映画じゃあない。静かに、淡々と、ジョニー・デップの演じるリチャードを観ていた。

淡々と見えるのは、章立てになってるからかもしれないですね。チャプタータイトルで区切られたときに一旦我にかえる。あとプチコメディが散りばめられてクスッとくる。
本当に日常の、リアルな世界なんだなと。そんな感じ。

あ、あとこれがジョニー・デップじゃなかったら、説教臭くなってたかもしれないな、なんて思いました。思い出しては後からじわじわ染みてくるようです。

おしまい

※観賞の順番的に、バットマン ライジングを観て先に感想を書きノーラン祭りを繋げたかったんですが、グッバイ、リチャード書いちゃいましたw
「インターステラー」はもちろん「メメント」も劇場でやるらしいですね。…関係ないこと書いてもうた!
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