ファンタジーは嫌いじゃない、というよりかなり好きなんだけど、現実離れしてるからこそ筋を通すところは通して欲しい。
透明人間と盲目の少女の恋。このプロットはいいぞと思ったし、鏡を見た時に自分の目に映る姿が「自分」なのか、という一見当たり前のように思えて、けれどそれぞれの理由でこの二人には当たり前ではないことで「自分の存在とは?」を問うているようなのはとても良いと思った。
しかし。
現実的な側面は考えないことにしよう、というならそれはそれでいい。
でも、序盤で ”透明人間(まだ幼児?)が手掴みで何か食べようとして母親に叱られてスプーンがひとりでに浮かんで食べものをすくう” という描写があるので、そういう現実も描くのかと思いきや、それっきり透明人間も盲目の少女も、生活を助けてくれる家族がいるのかどうかすら描かれず、どうやって生きていけているのか、ということは一切語られない。それならそれでいいか、、と思い直した頃に今度は盲目の少女が成長して目も見えるようになった局面で二人が再会すると、ベッドシーンが妙に直接的な描写になる上に、あろうことか彼女には目隠し!何を見せられているのか?という気持ちに(苦笑)。
そして決定打は、最後の最後で「マジックショーで生計を立てればいいわ」 って、じゃあ今まで二人共どうやって生計を立ててたんだよ?!
ちょっと残念。