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エンジェル、見えない恋人のtoumeiのネタバレレビュー・内容・結末

エンジェル、見えない恋人(2016年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

カメラを通して主人公エンジェルの目線を体感する形なんだけど、彼は人との距離感が独特だ。
基本的に人のことは遠巻きに見ているけれど、母親との距離はウッと思うくらい近すぎるし、盲目の少女マドレーヌのことは微妙に離れながらもゆらゆら揺れながらじっとりと見て目を離さない。
どちらもどこか気味が悪くて異常なような、でも愛に溢れていて大切に大切にしているような……不思議な感じがした。

いずれにしても、この感じから
「これがエンジェルが生きる世界であり、彼だからこそ築かれる世界なんだ」ということと、
母ともマドレーヌとも「この2人だけの世界である」ということが感じられた。
他の人など存在しない。この世はただふたりだけ。
こんなふうに世界を見ることもできるんだな。

振り返ってみるとストーリーはいたって単純だったけど、だからこそ感覚が研ぎ澄まされた。
この物語らしくて、そのシンプルさが好きだと思った。
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