無用途人間

エンジェル、見えない恋人の無用途人間のネタバレレビュー・内容・結末

エンジェル、見えない恋人(2016年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

マジシャンの夫は「姿消し」のイリュージョンが得意だった。その日も助手を務める妻と舞台で姿消しを披露していたところ、本当に消失してしまう___。
という序盤のシーンが個人的クライマックスだったように思う…。
夫との間に授かった息子は透明人間で、盲目の少女と恋に落ち……というその後の話にはそこまで入り込めず。

ファンタジーにツッコミは無粋である…というのは前提として。
それでも私は、この世界から早々に弾き出されてしまった。
設定はファンタジーなのに、登場人物にはリアルな質感があって、どうにも見方が定まらない。
結局折り合いがつかず、ツッコんでしまう居心地の悪さ…。
私が盲目だとして、一緒に過ごしている男が常に全裸の感触だったら怖すぎるのだが…。そういったモヤモヤを、ファンタジーは解決してくれなかった。

そうして馴染めないまま見ているせいで、いくら繊細に主観カメラで少女を映されても、イメージビデオを見ているような感覚になってしまった…。
あらすじを読まずに見れば、また違った感想になったのかも。