真世紀

テレフォンの真世紀のレビュー・感想・評価

テレフォン(1977年製作の映画)
4.0
かかってきた電話。受話器から流れてくる詩の朗読を耳にしたあなたは自分でも記憶にないまま催眠術で仕込まれた目標へのテロ攻撃を遂行する…。

時は米ソ両大国が緊張緩和(デタント)を迎えし頃。ソ連では強硬派の粛正が続くもその網を逃れた男ダルチムスキー(ドナルド・プレザンス)は米国へ。その手には自身が工作員であることすら記憶にないまま、アメリカに暮らす工作員51人と電話番号のリスト。これこそはテレフォン作戦、次々電話をかけ、発動のキーとなる詩を朗読すると自動車工場の修理夫が、主婦が、神父が次々と夢遊病者のようにその場を離れテロまっしぐら。

作戦が過去に立案されたもののため、目標となる施設の重要性が今では低下していたりして、それが逆にアメリカ側を惑わせたりも。今の書記長の耳に入っていない忘れられた計画発動に焦ったKGBは完全記憶の持ち主ボルゾフ大佐(チャールズ・ブロンソン)を派遣。アメリカに潜伏の女工作員バーバラ(リー・レミック、ナース姿も披露)を助手につけ、事態収拾をはかる。

劇中、完全記憶がリスト暗記ぐらいしか役立たないとか、遠隔操作が特徴のテレフォン作戦なのにダルチムスキーがテロ現場を見に行きたがることもあって、同時多発テロにはならない(笑)とか何かとツッコミどころはありますが、そのあたりも込みで荒唐無稽さ、また楽し。
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