前作で現代×童話の住人のミスマッチを面白がるターンが終わってしまったので、
今作は大胆にもその逆を行くという発想で
しっかり続編として不可なく、
かといって前作を超える要素があるという訳でもなく、
無難に面白い続編に仕上がっています。
前作のネオン輝く街とは打って変わって舞台は郊外へ。
新生活が始まるも、幸せとはなんなのか考えた末に
ジゼルが世界改変を行い、
おとぎの世界に変えてしまう！
杖で世界改変というシンデレラ3のような趣も感じつつ、
節々で前作以上に露骨なセルフパロディを披露し、
観客を楽しませます。
リトル・マーメイドのワンシーンをパロディしたカット等、
思わず笑ってしまうようなカットもありました。
世界改変によってねじ曲がってしまうジゼルの演技も凄かったです。
表情1つで一瞬にして悪役に代わる様は鳥肌が立ちます。
前作のエドワード的立ち位置に今作はロバートが立ちます。
前半でかなりくたびれたサラリーマンな姿を見せてくれているので、
勇ましく登場する度にそのギャップで笑けて来ました。ここはよかったです。
成長したモーガンはよくあるティーンエイジャーな感じで、
いつも通り反抗期でドライな性格になっていますが、
観客目線に立ってくれるキャラとして配置されたと思われるので、
この性格設定もやむなしでしょうか。
1個残念なのは、ジゼル達の前作になかった一面が垣間見えるようなシーンがなかった事ですね。
赤ちゃん子育てに四苦八苦するジゼルとか面白かったと思うんですよね。
動物にオムツ替えさせたりしてほしかった。
挿入歌もいい曲は多いですが、
個人的に前作レベルの曲はなかったと思いますね。
ちょっとディズニー映画に寄り過ぎな曲調の曲ばかりで、
ジャンル一辺倒な感じがつまらなかったです。
無難に面白いですが前作の方が圧倒的に面白かったです。
思うにディズニー+は、昔ならビデオスルーレベルの作品を
大々的に宣伝しているので
必要以上に期待してしまうのですよね。
完璧な作品の続編が完璧になる事は本当に難しいと思います。
今作は魔法にかけられての続編が観られたというだけでもそれなりに、価値はあるかなと感じます。
