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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3のEPATAYのレビュー・感想・評価

4.0
まず、すごく良かった!最高!
物語をキレイに畳んでくれたのが何よりも良かった。

という、すごく良かった!というのが前提の話で、優等生すぎる作りが故に逆にノレないみたいな感覚があった。

ビジュアルで圧倒させる感じとか、クライマックスでの興奮とか、ファンのためにというのがすごく意識してあって、めちゃめちゃ楽しんだし大好きな作品ではある。

なんだけど、その「ファンのために」というのが本来のテーマと変なミスマッチを起こしているきらいはあると思う。

まず、物語としてロケットを主人公において展開するのは必然であるとして、彼の物語が最終的に各メンバーの「ありのまま」へと収束していき、それが根本にある「バラバラな個性の集まりによるチームアップ」というところへの帰結に繋がっていくのでこれ以上なく綺麗ではある。

ただ、綺麗に帰結させようとしすぎていて、割と説明的セリフでポンポンポンと進めて行くところがあったり、ロケットの物語が他メンバーに与える影響というところで説得力が薄かったりする。

勝手なエゴで作られた上にぞんざいな扱いをされたロケットが、同じようなはみ出しものたちとの関わりで「ありのままの自分」を愛せるようになったというプロットなわけで、だからこそ1作目、2作目とどうやって接続するのかというの大事なんだけど、それを観客の想像力に任せている節があるので、最終的な“解散”に至るまでの説得力が映画全体としてはあまりない。

説明しすぎても駄目で、観客の感受性に任せすぎても駄目というめちゃくちゃ難しいバランスではあるんだけど『ピースメイカー』とか『ザ・スーサイドスクワッド』ではできていたので......

こういう風に「ファンのために」という感覚が強いと、だったらそもそも今見ている彼らの姿って僕らの理想の“ガーディアンズ”であって、本当に彼らの「ありのまま」なのかな?とか考えてしまう。

とはいえMCU作品の中でここまで自由に“自分たちの物語”をやらせてくれた作品ってないだろうからすごく幸せなシリーズだと思うし、それをリアルタイムで最後まで見届けられたのも幸せな体験だったとは思う。
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