Jawarinko

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3のJawarinkoのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

最近のMCUと気が合わないと言い始めてはや数年。知らぬ間にフェーズ5に突入していたのですね。(結局フェーズ4で好きだったのは、バキつばとBWくらいかもしれない。)マルチバース問題に「繋げる」ことが最優先事項となり、1本の映画としての質が蔑ろにされる中、今作は久しぶりに「うん、よかった」と思える作品に仕上がっていました。

vol.1やvol.2で感じたような血が沸き立つような高揚感がなかったのは寂しかったけれど、GotGの物語が「納得できる」形でまとまったことに、少しほっとしました。まあ高揚感については、GotG特有の不謹慎なのに笑えるっていう展開が少なかったのと物語が全体に湿っぽかったのもあるけれど、私がクリプラを手放しに愛せなくなったこととかも関係しているだろうからな。。。

今作で何よりも良かったのが「ガモーラの描き方」です。別存在であるにも関わらず同じ人間であるがために「ガーディアンズが、クイルが、観客が愛したガモーラ」を期待される彼女が「どこに居場所を見つけるのか」にすごく注目していました。ガーディアンズのメンバーへの共感、そしてチームアップがありつつも、「このガモーラ」にとってはラヴェジャーズが家族でありホームであると示されたのがなんだかとても嬉しかったです。私はGotGは、それぞれの生き方・選択を肯定して賛美する多様性の物語だと思っているので。


あと「クイルの描き方」も面白かったなと思っています。ヒーローたちはどんなに辛いことがあったとしても立ち直ることが要求され、多くのヒーロー映画では彼らが再び立ち上がる姿を感動的に描きます。でもクイルは「立ち直れないヒーロー」として描かれていて、この物語ではそれを責めることもせず受け入れているんですよね。それが良かった。冒頭で描かれるアルコール漬けになったクイル、「自分が世界を終わらせた」という発言、危篤状態のロケットを前にした時の「母親も、ヨンドゥも、ガモーラも亡くして、その上ロケットまでなんて」という台詞。彼は他のヒーローたちのように立ち直ることができず、ずっと苦しんでいたんだということがわかります。そして最後に、彼が自分の人生と向き合う決心をして、ガーディアンズの活動から離れたこと、あれはある種の休養でもあり、クイルの心の柔らかさやヒーローが心を休めることを肯定してくれるようなあたたかさがあったと感じています。


それにしても「確実にロケットは死ぬよな」と思いながら鑑賞していたので、まさかの生存確定が嬉しすぎましたよ。ガン監督「誰か死にます」とか言ってなかった?私はロケット贔屓だからさ〜。よかった〜。アライグマの寿命とか調べて落ち込んでたのよ。
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