エイデン

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3のエイデンのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

惑星“ノーウェア”
ピーター・クイル(“スター・ロード”)、ロケット、グルート、ドラックス、マンティス、ネビュラら、“ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー”の面々は、元“ラヴェジャーズ”のクラグリン・オブフォンテリ、テレキネシスを使う宇宙犬コスモを新たに加え、買収したノーウェアに本部を置いて活動を行なっていた
しかし、サノスとの決戦を経て恋人ガモーラを失い、過去からやって来たもう1人のガモーラにも相手にされないピーターは失意のドン底におり、浴びるように酒を飲む日々を送る
そんなある日、突如として黄金色の空飛ぶ戦士がノーウェアに来襲
ガーディアンズは凄まじい力を持つ敵を何とか追い返したものの、その戦いの最中 ロケットがビームを受け重傷を負ってしまう
早速 治療に当たったものの、過去何者かによって改造手術を受けていたロケットには、技術の漏洩を防ぐためのセキュリティが掛かっていると判明
それにより、あらゆる治療が加えられないとわかったガーディアンズは、ロケットのため48時間以内にセキュリティを解除できるパスキーを探すことに
パスキーの唯一の手掛かりは、ロケットの身体のパーツに刻印されていた“オルゴ・コープ”という社名のみ
そこでガーディアンズは、クラグリンとコスモにノーウェアを任せ、オルゴ・コープの本拠地である惑星“オルゴスコープ”へと向かう
そこは厳重な警備に守られているほか、その代表である科学者ハイ・エボリューショナリーは、ロケットをはじめ多くの生物に違法な実験を繰り返し、“完璧な種”によるユートピアを作り出そうとする危険な人物だった
そこでネビュラは、ラヴェジャーズのリーダー スタカー・オゴルドに助力を求める
そしてスタカーと共にガーディアンズの前に現れたのは、ラヴェジャーズの一員となっていたガモーラだった
予期せぬ再会に戸惑うピーターをよそに、ガモーラはオルゴスコープへの潜入作戦に参加すると言う
こうしてガーディアンズとガモーラは新たな戦いに向かっていく
その間 生死の境をさまようロケットは、ハイ・エボリューショナリーによって身体を改造され、同じ境遇となったカワウソのライラらと出会った過去を幻視する
一方 かつてガーディアンズに煮湯を飲まされた惑星“ソヴリン”の女王アイーシャは、自らの創造主ハイ・エボリューショナリーの手助けで生み出した あの黄金色の戦士アダム・ウォーロックと共にガーディアンズへの復讐に向けて動き出していた



マーベル・シネマティック・ユニバース32作目

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の3作目にして最終作
全2作を通し家族となったガーディアンズに降り掛かる最後の試練
ロケットを救うため、ハイ・エボリューショナリーとの戦いを描く

ハイ・エボリューショナリーのキャラクターと、その存在によって紡がれていくストーリーが見事
新たな命を生み出す神のような創造主でありながら、手段も姿も卑劣で醜悪、感情的でどこか小物感が漂う、様々なヴィランの中でもかなり良い
目的のために絶対に許さねえと思わせることもやりまくり、ガーディアンズを徹底的に追い込んでいく
ロケットの過去にも深く関わり、ガーディアンズに立ち塞がる強敵としての素質も十分
とはいえ、ややこの辺りジェームズ・ガン監督の作風が本来的に持ってるエグみが凝縮されてるようには感じた
一方で、決して良い人生を歩んでこなかった人物がセカンドチャンスを掴み取り、銀河を守るヒーローチームとなったガーディアンズに対し、ありのままを許容せず欠点も失敗も断じる潔癖なまでの完璧主義者で、同時にその力も持ったハイ・エボリューショナリーとの対比は上手い

随所に旧約聖書から宗教的なテーマも盛り込まれていることからもわかるけど、創造主もどきのハイ・エボリューショナリーに、創造物であるロケットらが立ち向かう構図になってるのも特徴的
生まれが悪ければ、道を1度でも踏み外せば、その人生は肯定されないのかというセカンドチャンスの肯定と、不寛容な世界への叛逆めいたテーマ性を感じる
これは

またロケットはじめ多くのキャラクターのシリーズを通しての変化を感じることができるのも良い
家族となったガーディアンズが最後の戦いを通してそれぞれの在り方を見つけて行く繋げ方は思わずグッと来る
笑えて泣ける欲しかったいつものノリをそのままに、3部作の集大成としての確固たる風格を持つ良作なのでオススメ
エイデン

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