とりん

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3のとりんのレビュー・感想・評価

4.1
2023年44本目(映画館15本目)

銀河の落ちこぼれ集団が結成したチーム「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」を描いた6年ぶりのシリーズ3作目。
今回はシリーズ屈指のアイコンでもあるロケットが瀕死の事態に陥り、彼を助けるために奔走するお話。その中でこれまで語られなかった彼の壮絶な過去が明かされていく。この過去がかなり辛い。完璧な種を求めてあらゆる動物や人体の改造を続けるハイ・エボリューショナリーによって生み出された。あのロケットの過去がこんなにも胸を痛めるなんて。

そんな今回のヴィランでもあるハイ・エボリューショナリーだけど、完全な種を求めると言いながらも、自分よがりでしかない考えの持ち主で、自分が絶対正義、意にそぐわないなら全てを消し去るという横暴で残忍。これまで出てきた中でも1mmも共感できたい嫌悪感すら持ってしまうキャラだった。だからこそガーディアンズ、ロケットには頑張ってやっつけてくれなんて思いながら観てしまった。

胸を痛めるようなシリアスな話を主軸にしながらも、コミカルな要素はしっかり忘れない。そもそもこのガーディアンズの主要メンバーが1人残らずキャラが濃すぎていて、もちろん各々の力も凄いけど、かけ合わさったときのテンポ感やチームワーク力がさらにすごい。この流れるようなやりとりや連携とかを観ると楽しさと爽快感がある。

GotGシリーズと言えばMCUでもかなり異色で、雰囲気がまず他の作品とも違う。終始一昔前の曲がガンガンかかり、さながら音楽映画とも言える。今回はRadioheadの名曲「Creep」のAcoustic Ver.から始まるというファンには何ともたまらない。しかもこれもロケットがプレーヤーから流していて歌ってくれるのも嬉しい。
劇中では様々な曲が流れるけど、エンドロールはBruce Springsteenの「Badlands」で締め括られるという最高な音楽映画でした。

今回の注目の新キャストにはガーディアンズを襲ったアダム役にウィル・ポルター。「メイズ・ランナー」のあの男の子。ちょこちょこいろんなとこで見かける。彼が出るのはノーチェックだったのて、出てきた時はおってなった。おとぼけ感ありつつも圧倒的な力を見せつけてくる。ロケットを瀕死に追いやった張本人だけど、彼は彼なりにいろいろ想うところがあるようで、そんな姿見てるとどうも憎めない。

前2作ももちろん面白いのはわかってたけれど、正直どこかハマってないところがあって、でも今回は素直に楽しめた。泣けたというのも頷ける。
今改めてもう一度シリーズ観返したい。配信開始されたら最初からもう一度観直そうかな。
とりん

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