ゆかちん

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3のゆかちんのレビュー・感想・評価

4.3
ありがとう、ガーディアンズ ・オブ・ギャラクシー!!
完結編に向かう作品という感じで、キャラクターたちはもちろん、vol.1から観てきた観客たちにも向けて花束を渡すような作品でした。

やはり今作も音楽が最初から良い!!!
昼に野外ライブ行った後に映画館に行ったんやけど(我ながら詰め込んだなw)、「映画なんやけどライブの延長」みたいな感覚になるほど。
映画のための映画音楽ではなく、元々ある音楽を映画のストーリーと化学反応起こさせて最大限に活かす手腕は、さすがジェームズ・ガンといったところ。

コミカル要素とシリアス要素。
今作のテーマと、これまでのシリーズ通じてのテーマ。
かっこいいアクションの数々。
どれもバランス良くて、最高やった!!

割とポンポン急展開やのに、「いきなりやな!」てのはそこまで感じなかったのもよかった。

ジェームズ・ガン作品、好きなんだけど、趣味やなぁというグロ描写と「死ぬべくして存在する」モブたちの切捨て感が、少し気になるときがある。今作も多少感じた。でも、今作含めガーディアンズシリーズはそれも意味あるなぁというとこまで伝わるから、まあ良いかなと。
それに、KAIJU(怪獣)!って言わせるところは、信用できるよね笑。


ガーディアンズシリーズは、故郷を離れ、故郷を失い、家族を失い、色んなものを失って負け犬だったメンバーが家族となり、宇宙の守護者となり、ヒーローとなって、家族や個々人の人生において大切なものを見つける旅を描いてるんだなぁとしんみりして、とても晴れやかな気持ちになった。



ーーネタバレしながら感想ーー


★キャラクターごとの感想
*ピーター・クイル(スター・ロード)
よく考えたらピーターてめっちゃ優秀やなぁと感心したw
計画を立てるのが上手いし、その計画の際はそれぞれの能力を最大限活かすよう考えられてて。チームプレイするのに最適なリーダーやなと。
しかも、機転が効いてその場で判断して最良の成果を得る(ハイエボのオルゴコープの受付ウラに語りかけて協力させる、アダムを倒すために自爆機能を発動させ自分たちは逃げる、など)。
まあ、これは一作目からやけど(ロナンにダンスバトル申し込むとか)、改めて、ピーターめちゃ出来る子やな〜と。
チャラくて落ちこぼれっぽいようで、出来る子やなって。
感傷的で、逃げてしまいがち、ウジウジしがち、また、頑固…てなところはあるけど。でも、これってめっちゃ人間ぽくて、観てる側に共感を呼ぶ。
まさにクリス・プラットの当たり役。

で、ピーターについて嬉しかったのは、一作目の冒頭について回収したところ。
地球のこと、おじいちゃんのこと。
エンドゲームのとき、すぐに地球を離れたのが残念だったけど、ようやく向き合う。
おじいちゃん生きてて良かった。
おじいちゃんのこと考えたら猛烈に辛すぎるやん?娘が死んだ日に孫が行方不明にって。
そこを救えたのが本当よかったな、と。
ピーターも逃げずにようやく向き合えた、と。

これからどうするんだろね。
地球でしばらく過ごすのかな。働くのかな。
ケヴィン・ベーコンに会いに行かないのかなw
「伝説のスター・ロードは帰ってくる」
地球にいるということは、アベンジャーズ5や6に関わるかもね。カーンは地球に襲いかかりそうやし。
あと、ノヴァとかも作られるなら、導く存在になり得る?
ジェームズ・ガンがMCUから離れるからどうなるかわからないけど、彼は何か関わりありそうだな。
でも、幸せに暮らしてほしさはある笑。


*ロケット
ロケットの過去が明らかに。壮絶で悲しかった。
ライラを失ったときの絶叫は胸がギュッとなった。
最初はピュアな感じやけど、あそこから色々あって、今の荒々しい口の悪いロケットになったんやなぁ。
しかし、頭良すぎるし、あんな簡単に色々機械作れるのほんまゴイゴイスー。
彼は瀕死の状態で回想が多かったけど、生き返ってからのかっこよさ。
てか、最初に何気なく話してた重力に対するブーツ?がこんなとこに効いてくるとは。
逃げるのは終わった…てとこカッコ良かった!
彼のその姿を見て、ピーターはリーダーを安心して任せられるって思ったんやろな。
そして、なんと言っても、今まで散々raccoonと呼ばれるのを否定して怒っていたのに、囚われた小さなアライグマたち…北米からの…を観て遂に受け入れ、ハイエボに「ロケット・ラクーンだ」と言ったのがカッコ良かったし泣けた。
数々の賞を受賞してきたブラッドリー・クーパーが声だけというまさかのキャスティングやけど、ロケットの声にピッタリだった!


*グルート
マッチョグルート!
初代グルートよりなんか賢いし、闘い方や自分の身体の活かし方のバリエーションが凄い!
心根が優しいところ、本質は初代グルートも同じだけど、この違いは育った環境なんだろうな。
今のグルートはガーディアンズのメンバーに育てられ、反抗期も付き合ってくれる仲間に恵まれて今に至る。
頼もしく、良い子に育ったなぁ〜て。
身体の中に銃を隠せて何個も構えて乱射したり、羽みたいなのを作って落ちるピーターをうまく抱えて着地?したり、ピーターとチームプレイもバッチリ!
自分が何をすべきかを理解して頼もしく行動。
良かったね。。ベビー・グルートが好きだけど、あの頃を経た今というのがとても納得で良かった!
最後、I love you guys.て聴こえたの感動したな。本当はいつもの通りアイアムグルートて言うてるんやけど、観てる人もグルートが何を言ってるか分かるようになったていう演出とのことで、粋じゃないか!!
ヴィン・ディーゼル、「アイアムグルート」だけでよくここまで色んな言葉を表現したなと笑。ファミリーて言われたら笑ってまうけどw


*ドラックス
今作はいつもよりコミカル担当やったな笑。
復讐の相手がいなくなり、ガーディアンズという家族もいて、少し心の穏やかさが増してるのかも。
バカな感じ色々やらかしてたけど、子供たちを和ませ、理解してうまく誘導する。
言葉が話せたんだね。最初、「声を聞かないから」とネビュラに言うてるのを観て、子供達の声を聞いてるうちに理解したのかと思った笑。
ロケットは名前にラクーンがついたのとは逆に、ドラックスは名前からデストロイヤーが外れるというのも良い対比。
ドラックスも最初の話を回収したのかな。彼は「父親」であるという。

パワーファイターぷりも発揮してて、扉壊したりあれこれを観て、そうやドラックス強かったんやと笑。
仲間に襲いかかる敵が現れた時、盾となるように闘いにいく姿カッコ良かった!

デイヴ・バウティスタが卒業と言ってたのでドラックスはもう出ないんだろうけど、ノーウェアで幸せに暮らしてほしい。


*マンティス
2からの参加やけど、彼女も良い変化を。
最初はエゴに育てられエゴしか話したことがなく。モジモジして人と関わるのうまくないみたいな雰囲気やったけど、今は立派に周りを巻き込んでいくエネルギーもあるほどに。
エンパスの能力を持ってたら、人の嫌な部分も見えて捻くれてしまう恐れもあるやろに、彼女はとても綺麗な心のまま。
ネビュラと口論になったときはカッコ良かったな。しっかり発言して。
だから、彼女の旅立ちはなるほどなぁと。
ようやく「自分」がわかってきたし、自分が出来ることもわかってきた。ある意味、子どもが親元を離れるようなことなのかな。自立したいんだってのは。
自分探しの旅みたいなとこもあるのかな。
色々冒険した後は、またノーウェアに帰ってきてほしいね。
何気にマンティスの闘い方、かっこいいよね笑。
ポム・クレメンティエフ、他の映画では悪役多めな気がするけど、マンティスめっちゃハマってたな。


*ネビュラ
シリーズ通して一番良い変化をしたのは彼女かも。最初は怒りに燃えて残酷で無慈悲な暗殺者。でも、それは彼女の本質ではなく、サノスに育てられる中で作られたもの。本質を覆い隠して鎧のようにしたもの。
ガモーラと和解し、サノスから離れてガーディアンズと共に過ごすことで本来の彼女が出てきたのかな。
最初はほぼ無表情で、怒り以外感情がないのかなって雰囲気やったのに、エンドゲームでは何気にオモロいこと言うてたり(本人は無自覚やけど、多分、笑いのセンスはある)、ジワっと優しい。
ロケットが生きていたと知って思わず涙声になったところは泣けたし、最後の笑顔はようやく解放された感じがしてこっちも幸せな気持ちになった。
カレン・ギランが変化をうまくつけててよかったし、カレン自身の成長過程みたいな感じもした。本人めっちゃ美女よな〜。身長もあるし。
2でガモーラに言われた、あなたみたいな子を救いましょうみたいな言葉を受け継いだ形になったのはグッときた。
またどこかで出てきてほしいな〜。


*クラグリン
クラグリン、何気にずっと好きやからヤカの矢を遂に操るシーンは嬉しかった!
なんか情けないというか、頼りない雰囲気がある時もあるけど、何気に優秀やし、ピーターたち含め、みんなの心を推しはかって粋な配慮をしたりできる人だよな。
てか、めっちゃ人間ぽい感情を持つ宇宙人。
ヨンドゥが幻影で現れた時泣きそうになったわ。。
チームというか、組織に必要な人材て感じする。


*コスモ
やっぱソ連の実験の犬なんや。
テレキネシス持ってて、めっちゃ頼もしい。
でも、可愛い笑。
クラグリンに悪い犬で言われて拗ねるのめっちゃかわええ。


*ガモーラ
良い落とし所やなと。ピーターと関係を築いたガモーラはIWで死んでしまい。
今の彼女は2014年からきたガモーラで、私たちが観てきたあのガモーラではない。
またガーディアンズに落ち着いたり、ピーターと恋仲になるのもありっちゃあありやけど、それじゃあ、私たちが観てきたガモーラを重ねてるだけな気もするし。
同一人物だけど、別世界の存在なのだからそこを同じにすると、なんか違うなと。
最後、みんなが抱き合う中、ガモーラは少し離れてにっこり微笑み、去っていったのが良かった。
多分、彼女は私たちが観てきたガモーラ同様、ガーディアンズの仲間を認め、ピーターに対しても恋というか、好きにはなってきてたとは思う。
でも、どちらかといえば、「(元々この世界にいた)私がピーターを愛した意味がわかったかも」という感じなのかなと。
2014年からのガモーラはラヴェジャーズという居場所があるとなったのだから、それは良かったなと。
てか、ガーディアンズと一緒になる前のガモーラだからめっちゃ荒々しいの笑ったw
ゾーイ・サルダナ綺麗やしカッコよかった!緑やのにセクシーってなにw


*アダム・ウォーロック
遂に登場!最初ノーウェアに襲いかかってきたとき、めっちゃ強い!てなったけど、様子がおかしい笑。
めっちゃ子どもというか、無垢なんだね笑。
成長しきる前にポッドから出されたから子供の状態というか、善悪とか生死とか、傷つけるとか、そういうの何も知らない状態なんだね。
でも、ラベジャーズの1人殺してあの小さな生き物が悲しんでるのをみて心が痛んだり、自分を助けたグルートの言葉にハッとしたり、ピーターを救ったり、最後、みんなのハグにギコちなく混ざったり。
心根の部分は良い心があるんだなと。
彼の今後が楽しみだなぁと。
ガーディアンズのメンバーの中で育てば、グルートみたいに頼もしくヒーローサイドに育ちそうやなぁと。
ウィル・ポールターめっちゃ良かった笑。
他の役でも観たことあるけど、MCU版アダムはおそらくコミックのアダムより、ウィルが他で演じてきた役の延長線上にあるようなキャラやから、強いけどピッタリきてた。
しかし、ピーターを救ったシーン、ミケランジェロの「アダムの創造」で笑ってもうたwそれまで、「え、ピーター!うそ!早く助けてアダムあたりが!」てソワソワしてたから、余計に笑えた。


*ハイ・エボリューショナリー
サイコパスなヴィラン。
完璧を追い求め、作っては破壊を繰り返す。
勝手に改造して創造しといて、違う!てなったら殺すって何!?命の重さを知らない。

「完璧なんてありえない、ありのままを否定すべきではない、欠点があるのも素晴らしい」という彼によって浮き出すテーマは、銀河の負け犬チームという触れ込みで始まったガーディアンズの最終戦の相手としてはピッタリかな。

チュクウディ・イウジめっちゃ上手かった。
てか、最初ロケット生み出した時、ロケットに問題解かせたりしてるときは優しい顔してるのにね。
完璧主義で完璧なものを作ろうとしてる割に、作ったものが自分より優れてると嫌なんだね。

アイーシャに話す時、台を持ってきてその上に立つの笑った。

そうそう、アイーシャ、エリザベス・デビッキ!また演じられて良かったね!
てか、ソヴリン人はハイエボに作られたんや。
今回はボロボロだったな。そして、最後爆破で殺されてしまったのかな。。残念。


★テーマ
今作テーマ
・動物実験とか含めた動物虐待の問題。
・完璧なんてあり得ない〜ありのままを否定するのは良くない。
全体テーマ
・たくさんのものを失ってきた者たちが、人生の大切なものを見つける旅
・絶望の中でも、過ちを犯してもやり直せる
・親からの虐待
・血の繋がりある無しに関わらない「家族」
・それぞれの能力を活かして補い合うことの素晴らしさと、その時の強さ
・逃げるのをやめた!


★小ネタの数々
シリーズ1から見てたら、「あ、あの時のアレを言ってる!」とか、「あのことはこれに繋がる」とかがあってよかった。
ちゃんとアンサーしてるというのか。
ロケットの「f○○ ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーだからな」ていうの、ヨンドゥに「〜へようこそ」ていうてたの思い出したし。
2の冒頭に出てきた気持ち悪い生き物も再登場したし笑。
ラヴェジャーズとしてシルヴェスター・スタローン演じるスタカーも出てきたし。
ドラックスの比喩とかね。

冒頭、レディへのクリープて!



色々盛りだくさん詰め込まれてて、ずっと良かった。
今後どうなるかわからないけど、どうかみんな幸せに暮らしてほしい。
ゆかちん

ゆかちん