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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3のNowLoadingのレビュー・感想・評価

4.7
 今日のマーベル。上映終了する前に本当に間に合って良かった。

 マーベル・シネマティック・ユニバース、そのフェーズ4としてのみならずスペース・オペラの最後の希望として重すぎる期待を受け続けて来たこの一作。その期待に答えるどころか上回るような完全なる作品で、文句のつけようがない。ジェームズ・ガンという男はなんて凄いのか。

 類まれなる選曲センスにつまらない場面を作らないような小気味よい掛け合い。それもヘタで無理矢理入れたようなものだけでなく、自然体でたとえ命の危機でもぶつかり合う様は笑顔が込み上げてくる。笑い声あふれる劇場の一体感がハンパない。そして今作の敵が生み出したロケットの出自。ネビュラが言うサノスよりも外道をかなり丁寧に描き出していた。お陰であまりにもガーディアンズにも過去最大の敵というところが本気であると観客にわからせる。ロケットの友達との触れ合いと別れに自然と涙が溢れる。いちいち人間の感情にここまでダイレクトに伝わる映画が過去にどれだけあるというのだろうか。

 正直に言うとインフィニティ・サーガまででMCUは完成され、スパイダーマン以外これ以上アクセル踏み込む必要あんの?というところはかなり危惧していたし、実際問題マーベルの作品のレベルが落ちたというよりあの頃のテンションは戻らないのではないかとNWH以降ずっと感じていたことではあった。それが今日この作品を観て確信したことが一つある。フェーズ4はこのガーディアンズ・オブ・ギャラクシーという作品とサヨナラを言うためにあったのではないかと。

 もうカーンがどうとかこうとかどうでもいいのだ。この作品に出会うためにずっとマーベルを追い続けてきたのだ。結果として本作はマーベル単発作品のNo.1であったNWH(あれを単発というのはどうかと思うが)を上回る最高傑作を観た。これでもう悔い無しだ。本当にありがとうと言いたい。とても優しく多様性と人間讃歌をこれでもかと詰め込んだ最高の有終の美であった。
 
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