Hiroki

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3のHirokiのレビュー・感想・評価

4.3
カンヌも無事に終幕したので溜まっていたレビューをちゃんと書く!
ついにやってきました!
惜別の最終章。
もー観に行く前から既に悲しいという...

まず興収的には大ヒット!
北米で3.2億ドル(約440億円)を突破し全世界で約7.8億ドル(約1,100億円)と、今年ではマリオに次ぐ数字を叩き出してます。ちなみにマリオは北米が約5.7億ドル(約800億円)、全世界が約13億ドル(約1,800億円)です。(さらに現在北米では『Spider-Man: Across the Spider-Verse』が猛追中との事。)
GotGシリーズとしては1作目が北米約3.3億ドル(約460億円)全世界約7.7億ドル(約1,100億円)、2作目が北米約3.9億ドル(約550億円)全世界約8.6億ドル(約1,200億円)なので1作目は超えたけど2作目超えは難しいかなーという感じ。Disney+の45日ルールもあるし。

私は基本的にMCUを追ってない勢だけど、GtoGシリーズはほぼこれだけで完結しているので1,2を観てれば大丈夫!
...のはずだったのですがガモーラ(ゾーイ・サルダナ)の件だけちょっとわからなかったんだけど、インフィニティ・ウォーで死んでエンドゲームで過去から来たガモーラになってたんですね。
まーだいたい劇中の流れで察する事はできましたけど...
ただこれGtoG2で壊れたスター・ロード(クリス・プラット)のヘルメットがその後のアベンジャーズの方では何事もなかったかのように復活。しかし今作では出てこなかった事を聞かれたジェームズ・ガンが「壊れたはずなのになんでだろうね(笑)」と答えていたように、明らかにMCU側とジェームズ・ガン側で意思疎通がうまくいってなかったよう。アベンジャーズに出てくるガーディアンズについてもだいぶ納得いっていなかったという噂も...
まージェームズ・ガンはもうDCEU=ワーナー側に行くので仕方がないといえばそうなんだけど。

さて内容ですがここでまさかのロケット(CV:ブラッドリー・クーパー)のお話です!
今回がラストとわかっていたから、まさかここまで1人のキャラクター(しかもスター・ロードではない)にフォーカスした物語だなんてビックリ。
でもねーこれがまたいいんですよねー。
なんでロケットが主役なんだろうって思ったら、ロケットはジェームズ・ガン自身だったんだなー。
ロケットは悪の帝国で仲間を人質に囚われて、殺されて1人逃げてきて。それでも戦いに戻ってきてまた別の仲間たちを救っていく。
もーここ数年のジェームズ・ガンそのままじゃん。
この人のアイロニーはもはや自分自身をも笑い倒すんだなー。

そしてもう1つ感じたのはこれはAIの話なんだなと。
メインヴィランのハイ・エボリューショナリー(チュクウディ・イウジ)は科学者で特別な種族としてロケットを作り出すこだけど、そのロケットが自分より優秀だとわかってしまうシーンでそれを受け入れる事ができない。
自分が作ったモノが自分を超えて、自分では制御できなくなる事への畏怖。
ここらへんはシンギュラリティ論に関連したAIのお話で、近い未来に人間が遭遇するであろう問題を描きたかったのかなーと思った。

シリーズ通して素晴らしい音楽とアクションは今回もまた秀逸。
音楽は70-80年代中心だったミックスから90-00年代の曲が加わり進化。ブリトニーとか進化とはいえ懐かしいけど。
アクションはやはりあの終盤のロケットが戻ってきてガーディアンズ勢揃いのシーン!
もーあれはさすがのジェームズ・ガンと思わせる最強のアクションシークエンスでした!

そして物語の最後にはスター・ロードとマンティス(ポム・クレメンティエフ)がガーディアンズを離れ、ガモーラもラヴェジャーズに戻っていった。
もーその時は迫っていた。
絶対に元に戻る事のない終わりの時。
実世界でもジェームズ・ガンはDCに行き、ゾーイ・サルダナとデイヴ・バウティスタは出演終了を明言している。
でもみんなが前を向いている。
誰もが新しい時を刻もうとしている。
ジェームズ・ガンがキャンセルカルチャーによってMCUから排除された時、クリス・プラットを初めとする全ての主要ガーディアンズキャストが連名で彼の再雇用を求める声明を出した事を私は絶対に忘れない。
それによって奇跡が起きてこの作品が観れた事を絶対に忘れない。

ポスト・クレジットで念願の祖父(グレッグ・ヘンリー)と再会してワチャワチャしていたスター・ロード。
そしてラストの“The Legendary Star-Lord will Return”のテロップ。
この『Legendary Star-Lord』は原作にもあって、ガーディアンズを離れたスター・ロードの単独シリーズでX-MENのキティ・プライドとの物語。
そしてミッドクレジットの新生ガーディアンズにドラックス(デイヴ・バウティスタ)やネビュラ(カレン・ギラン)はいない。
ロケット、グルート(CV: ヴィン・ディーゼル)、クラグリン(ヴィン・ディーゼル)、コスモ(CV: マリア・バカローヴァ)、アダム・ウォーロック(ウィル・ポールター)、ファイラ(カイ・ゼン。原作では後のキャプテン・マーベル)。
ロケット、グルート、コスモは吹き替えで良いのでこのメンバーなら次回作へのハードルも低いかも。
ただどちらにもジェームズ・ガンはいない。
彼なしのスター・ロードとガーディアンズが本当に成り立つのか?

まー今後の話は置いておいて最高の物語の帰結。
ひとまず、ありがとうガーディアンズ!

2023-40
Hiroki

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