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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3のumisodachiのレビュー・感想・評価

4.4



ガモーラの死のショックで無気力な日々を送るクィルと、その様子になすすべもない仲間たち。そこに突然、アダム・ウォーロックが現れ襲撃を始める。応戦するガーディアンズたちだったがロケットは致命傷を負い、手術をしようとすると体内にキル・スイッチが組み込まれていることが発覚。ロケットを救うため、彼らはパスコードを探すことを決意するが……。

文句なしに面白かった。くだらない軽快なギャグ、憎むしかない非道なヴィラン、期待を上回るダイナミックなアクションシーン、そして非常にエモーショナルな心理的ドラマと、あらゆる要素が良いバランスで組み込まれていて長いのに飽きさせない。

特に、ロケットの過去にまつわるエピソードはあまりにも可哀想で胸が苦しくなったのだが、それだけにヴィランへの憎しみも増すというもの。ひとりにフォーカスしつつも、他のキャラクターの見せ場や感情もしっかりと描いていた手腕も見事。

シリーズ最終作らしいラストのまとめ方も最高で、子どもたちも皆で踊りまくる多幸感があるシーンが脳内に残る構成にしているのがとても良い。中盤に思いっきり悲しいシーンをもってきて、ラストはセンチメンタルになりすぎずに終わるという匙加減。いいね!

ファンへの目配せ度合いも絶妙で、ファンじゃないとわからないような内輪受けネタがあまりない(と思う)し、アベンジャーズを観ていなくてもおおよその展開は推察できるように(ガモーラが元恋人で、死んだんだなとか)うまいこと構成されているので、ファン以外が疎外感を覚えることもないだろう。ジェームズ・ガン、さすがですよ。エリザベス・デビッキだけ良い見せ場も特にないままサラっと死んじゃって残念。
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