ハニルくん

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3のハニルくんのレビュー・感想・評価

5.0
ロケットの過去の生い立ちと並行して話が進むが、そちらが悲し過ぎて、そちらの愛おしさで最後まで泣き笑いしてしまう心温まる傑作ドタバタ冒険バディSFである。全員がデタラメでいい奴でまったくバラバラなのだが、皆友人のロケットを救おうとするという思いによって完全に捨て身で一つになっている。それはロケット自身がその生涯の出発において、実験動物だった異形の友達たちとの間で結んだ絆をすべての出発点としていることとつながっている。孤児のような境遇の中で擬似家族、擬似兄弟として永遠の絆を結んだ、その思いが永遠の世界にまでつながっていたという、その事実があまりにも貴いテーマであると思えた。残酷な世界で生きているがゆえに、皆が命を懸けて真の家族の絆を求め、主人公もまたそれに気づいて最後は父親のもとに帰ってゆく。素晴らしい結論である。個人的には、マンティスがドラックスをかばって、「知性と能力がすべてではない!」と熱弁をふるって、「ドラックスはバカだけど、笑わせてくれるし愛してくれる」といっておきながら、その言葉にドラックスが傷つくと、彼の顔を触ってすぐ記憶をなくさせるシーンがよかった。