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クリード 炎の宿敵のすべりのっとのレビュー・感想・評価

クリード 炎の宿敵(2018年製作の映画)
4.0
映画開始後すぐに世界戦を制し、ヒロインと婚約し子も授かりいよいよ人の恵みをすべて手にしたアドニス。
順風満帆なボクサー人生。
そこに父を殺したドラゴの息子が挑戦者として現れる。
過去のトラウマ。ロッキーの反対を押し切り戦いに向かうアドニスだったが、、、?

ロッキー4のオマージュをふんだんに盛り込んだ真のロッキーファイナル。

ドラゴの息子ヴィクター。
負け犬の息子の烙印を押されながらボクシングに活路を見出し、倉庫で働きながら厳しいトレーニングを積むハングリー拳士でやはりアドニスとは対照的、ロッキーを思わせて応援したくなる魅力がある。
自分を捨てた母が有名になってから寄ってくるのも実に胸糞が悪くなる。主人公補正がない悲しさ。

父となり己を見つめ直し、戦う理由を定め、ロッキーと共に宿敵を倒すため鍛え直すアドニス。
その姿にロッキーが重なって、彼もまた孤独と向き合ってロッキー・サーガが幕を閉じる。
アドニスがアポロの墓前で「本当にタフだよ」とロッキーを讃える。
見守ってきたファンもきっと同じ気持ちだ。