このレビューはネタバレを含みます
クリードのドラマは丁寧でよかった。クリードの辿り着くべき境地が、冒頭から年長者の台詞の行間に示唆されている。そこに気づくことのできないクリードの感情も、答えが人生の一大イベントの中で現れることも十分に説得力がある。
なにひとつ目新しいことは起きていないが、きちんと現代にアップデートしている。どんな立場にも花を持たせようとする姿勢がある。
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ウクライナ、キエフ。とある親子。
クリード、タイトルマッチ。ロッキーは自分のために戦えと説く。勝利。ビアンカと婚約。最中、挑戦者が現れる。父アポロを殺した男の息子ドラゴ。
クリードは受ける。止めるロッキーと訣別。矢先、ビアンカの妊娠が発覚。
クリードは完敗。反則で王者防衛。
リハビリ。失意のクリードを前にビアンカも苦悩。母は自分で立ち直るしかないと励ます。
ドラゴは再評価を受けていた。自分達を捨てた母親も祝勝会に現れる。ドラゴは彼らを憎むが、父は受け入れろという。
ジムから逃げ出したクリードは、自邸でロッキーと対峙。期待に潰され、リングに呼ぶ父の声が聞こえないと吐露。ロッキーは家族と向き合えない自分のようになってほしくないという。携帯電話。
出産。娘マロールはビアンカの遺伝か、難聴。
夜泣きを宥めかねたクリードはマロールをジムに連れて行く。軽くサンドバッグを叩き出すと、次第に勢いを増し、おらぶ。情けない父親だと語りかけると、マロールは微笑む。
再戦を決意。次は敵のホーム・ロシア。判定不利だが判定にしなければいいとロッキーは笑う。曰く、クリードを生まれ変わらせる。荒地の"虎の穴"で破天荒な特訓。
リングに上がる直前、ロッキーは言う。戦う意味を知っているお前は勝てる。
パンチを食らってもビクともしないクリードに一同はどよめく。攻防は一進一退。だがついにドラゴのパンチがクリードを捉え、マットに沈む。音が遠ざかる中、ビアンカの声だけが聞こえる。立って。立ち上がったクリードは猛攻をかけ、ドラゴを二度倒す。ドラゴの母は中座。立ち上がるドラゴをコーナーに追い込みラッシュ。タオル。
歓喜の雨。クリードはビアンカに家に帰ろうと言う。ドラゴを父は抱きしめる。
クリードは父アポロの墓へ。自分のために戦ったこだと語り、娘を紹介する。ロッキーは息子を訪ね、孫と初めて顔を合わせる。