あちぴろ

ガチ星のあちぴろのレビュー・感想・評価

ガチ星(2018年製作の映画)
3.3
フォロワーさんは「お?またこいつ映画レビュー増えてきたな?」と勘付いてらっしゃる方もいるかもしれませんが、ちょっと映画熱が戻ってきまして。
立て続けのレビューにいいね!本当にありがとうございます。
カムバックでございます。(と、勝手にゴチてる)

さて。
色んなVOD入ってるし、たくさんclipしてるのに、なんでこれ選んだ?という邦画。
役者さんで分かったのは、モロ師岡氏と華丸氏のみで、他の役者さん誰一人分からない。
最近Netflixでよく観るこの作品。
静止画は「中村獅童」にちょっとだけ似てる。
中身はとんでもなくクソな男の再生物語。

主人公の濱島は、ソフトバンクホークスのピッチャーで戦力外通告を受ける。タバコを当番ギリギリまで吸うピッチャー。
他の球団にも行けず、引退した同僚と思しき居酒屋の店主になんとか雇ってもらい妻と子供とは別居。(離婚したんかな?)
母親のもとで自堕落な暮らし。
もう、こいつがクソすぎる。
何がクソって、居酒屋の店主の妻らしき麻美には手を出すわ、お金を借りてまでパチンコに通うわ、息子の誕生日プレゼントを買うと母親からお金を借りてパチンコに行くわ、誕生日に唯一息子がリクエストしたキャッチボールはパチンコですっぽかすわ。
最低の最低のクズ男。
儲かると聞いて通い始めた競輪学校では練習もしないのに年下には偉そうだわ、一人練習をこなせない(39歳で20代たちと同じ練習はそりゃ厳しい)わ、なのに口だけ偉そうというどうしようもなく救いようのない男。

なんでこの映画選んだん?
と自問レベル。

が、もう一人。
父の残した借金、酒に荒れくれる母親、ボケてしまった母親の介護など生活に苦しみながら競輪選手として成功するために必死で練習する久松。
もう競輪学校を辞めようとした濱島がその日、久松の一人夜な夜な練習する姿に涙し、同じ様に練習をしてなんとか競輪学校を卒業する。

競輪選手としてのデビュー戦。
名の通ったピッチャーだったのか、元野球選手が競輪に転向ということで、いびられる。
なかなか勝てずに酒とタバコに逃げては相変わらずのクソのような暮らし、さらに反則ギリギリで他の選手に怪我をさせたり。
同じく競輪学校を卒業して活躍目覚ましい久松とのレース中に3台を巻き込む大事故が起きる。
濱島との接触で、将来有望な久松は今季絶望という大怪我をしてしまう。

お見舞いに行った病院で濱島と久松が対面し、ようやく自分の何がダメだったのかに気づき(遅すぎて萎える)、そこから生まれ変わった様に練習に励む。
そして、月日は流れ、回復した久松、同じ学校で同室だった上杉?(役名忘れた)とのレースに挑むが…

というお話。
ラスト15分がなかったらマジで0点付けたかった。
そのくらいクソすぎる男。濱島。

こいつを観てると吐き気がするくらいクソ過ぎて、ざまぁみろと思う。
そんな努力もせずに成功するわけねーだろ、クソが。とイライラして観てしまう。

しかし、対照的に努力家の久松がいるのでその対比が素晴らしい。
あまりにクソすぎる濱島と、それしか残っていないと必死に生きる久松。
濱島が必死になり、再起するあたりには、どっぷりハマってしまった。

感動するでもなく、笑い転げるでもなく、胸が熱くなるわけでもないが、どこか印象に残る映画だった。
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