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トゥルー・ロマンスのmuscleのレビュー・感想・評価

トゥルー・ロマンス(1993年製作の映画)
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こういうちょい役でブラピが…みたいなのが一番贅沢を感じる。列車が通るすぐ横にある家に続く道をデニスホッパーが乗る車が並走しながら角を曲がる、最高にトニスコを感じる。エレベーターから警察の本部が中継された瞬間とかも完全に。トニスコは画面が何者かたちによって中継され国民の知るところになることで公のものとして画面に注釈をつけていく。それが没入感を高める効果になっている。プロフェッショナルたちの仕事ぶりがさらにプロフェッショナルによってより「正しい」アメリカの方へ向かう見方を矯正させてくれる。そうしてトニスコ映画は常に批評的な画面になる。
とってつけたようなハッピーエンドにかぶさるタランティーノの岡崎京子みたいなモノローグ。ホントちょうどいい。無邪気に田舎シネフィルの夢みたいな映画を撮っていた頃のタランティーノ。主人公の「最初のスパイダーマンを呼んであげるね」ってセリフはめんどくさすぎる。小山田圭吾の「水木しげるの最初の悪魔くん朗読してあげるね」ってセリフと同じだと思った。ウォーケンが父親の仇役ムーヴしながらその後全く出てこない、キャラクターをチープにさせない不思議な構成、最高にタランティーノを感じる。
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