セイラ

歩けない僕らはのセイラのレビュー・感想・評価

歩けない僕らは(2018年製作の映画)
3.0
・「大切なのは、歩けるようになることではなく、歩いて何をするかということ」
・新人理学療法士×脳卒中の後遺症で歩けない患者
・『歩けない僕らは』実際に足が機能するか、という意味だけではなくて、精神的なことも加味
・37分 普段腫物のように触れてしまう話題についてさくっと考えられる

宇野愛海さん、良い意味でとても普通。
介護施設にいるような、なんともいえない感じ。
若干の舌足らずさがある喋り方とか、カメラの前ではなく日常にいる女の子の
沸々とした感じとか、とっても良かった。

内容に関しては、貴方の人生に向き合います、とか
貴方の幸せを心から願っています、とか
わたしがついています、とか
傲慢で無責任でいかに烏滸がましいことを普段ひとは口にしているんだろうと考えさせられた。
実際、この映画のお目当て落合モトキさんに宇野さんがかける言葉は、最後まで無責任だなあと正直思った。
医療に従事する場所で感情論で解決することなんて一握りで、
そりゃ回復する見込みがある人が努力しないことは目に余るだろうけれど、
大抵の場合この映画のようにはいかない。
宇野さんの演技があまりにも「普通の女の子」で「医療従事者のわりに無責任」で「考えが甘くて人生を上手に歩けていない子」代表という感じだった。
若いのに突然体の機能がうまくいかなくなる、なんて一般生活でも想像しえないし
理学療法士として毎日そういうひとの生活をみていても、共感または理解の欠如はあるんだろうなあと思えた作品だった。

総じて、誰と、何と、どういう距離感とスタンスで向き合うか、をずっと考えさせられた。
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