このレビューはネタバレを含みます
台詞一つ一つに厚みがある。
サムもルーシーもリタもまっすぐに相手を見てはっきりと話す。
作品全体に質量を感じた。
リタとサムが対等な友人になるのはリタが自分を曝け出してそれをサムが受け止めたから。
個人的に三角なのが、話が上手く行きすぎているところ。
現実で知的障害を持っている親はたくさん居て、それはとても丁寧に取り扱うべき事象である場合が多い。
人間の善性ばかりが問題が解決していく描写は、当事者を置いておきぼりにしていないだろうかと思う。
なので手放しで好みとは言えないのだけど、
社会的影響を考えるならポジティブな終わり方の作品が必要だし、何より愛し合う親子が結ばれて良かったなと思った。
(追記)何人かの方のコメントで、
「終わり方が雑」「現実はこうはうまくいかないのではないか」というものがあった。
現実にあるものをフィクションに持ち込むには、より強度の高い嘘が必要。