このレビューはネタバレを含みます
大人になったいま観てよかったし、観たくなかった映画だった。
きっとわたしがもっと若かったら、サムを手放しで応援していたと思う。親子関係を第三者が勝手に切り離すなんて！と憤っていたかもしれない。でも大人になった今だと、サムに育てていけるのかとわたしは検事の立場でしか観れない。だって子どものことを一番に考えるなら、検事の質問はいつだって正しいものだから。
内容は心温まるし、中弛みもせずずっと観させる作品。だからこそサムのことを真剣に考えてしまうあまり、そもそも妊娠は男女双方が望んだだったのか(おそらく違うよね…)、幼少期のサムは性教育を学ぶ機会があったのか、サムは然るべき福祉サービスと繋がっていたのかなどが頭に浮かんでしまう。描かれていないのでわからないし、作品として描きたかった本質ではないのかもしれないけど、親権云々以前のところも社会として考えるべきところなのかな。
2024年38本目
