TAK44マグナム

シャーク・ショックのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

シャーク・ショック(2017年製作の映画)
3.3
脅威のデンキザメ猛襲!


川へと雪崩れ込んだ巨大な人食いザメが、あるアクシデントから帯電体質となり、電流を自在に操るピカチュウみたいなデンキザメが誕生!
あっちこっちと忙しく移動しては川の氾濫で沈んだトレイラーパークの住民たちを喰いまくる、グリフ・ファースト監督による「特殊能力を持ったX-SHARK」シリーズ第三弾!
(↑たった今、勝手に名付けました(苦笑)スピンオフ作品として、グリフ・ファーストが脚本で参加した「シン・ジョーズ」もあるよ)


川べりのトレイラーパークには気の良い連中が集まっていたが、皆んなもれなく貧乏。
家賃を滞納するような奴らを一掃しようと、悪徳オーナーが堤防を破壊!
トレイラーパークは流され、皆んな散り散りとなってしまう。
一方、トレイラーパークに独自に電気を通そうと工事していた主人公たちに襲いかかってきたのは人食いザメであった。
主人公は「ジョーズ2」を丸パクリしてサメを電流で焼き殺そうとするが、逆にサメがエレクトロや仮面ライダーストロンガー、もしくは「キングコング対ゴジラ」のキングコングの様に電気の力を得てしまう。
発電機関を持たないのに五万ボルト以上の電気を自在に操れるようになったサメは、生き残った住民たちを次々と胃袋におさめてゆく。
住民の根絶やしを企むオーナーと、ハイヴォルテージな人食いザメ。
厄介な敵を前にして、主人公は恋人と共に危険な戦いを挑む!


ネットのどこを見ても評価低っ!
そんなわけで期待値を限界まで引き下げてからのぞんだのが功を奏したのか、意外と楽しく観れちゃいました(汗)
いつもの如く、低予算のテレビムーヴィーなのですが、塩っぱいながらも所々にバカなシーンを挿入してきて意外と飽きさせず、ヘンテコな魅力にあふれた怪作に仕上がっています。
テンポよく人物紹介を済ますと、あっという間にトレイラーパークが川に沈んで、あとはデンキザメの餌食になるだけ。
悪徳オーナーとその部下も暗躍しますが、状況をかき回す程度。
サメによるキルカウントを増やすだけでしたね。
しかし、悪徳オーナーがライフルやボーガンの射撃訓練をする様子をわざわざ挿入したのに、川に出張ってからは槍しか使わないってのはどうなのよ(苦笑)
だったら、あの射撃シーン必要?

そんな風に全く要らないシーンも挟みつつ、「筋肉をつかって!」とか「ジョン・ウェインを超えた!」などの迷言多数でバカバカしさを増長。
たまにガツンとくる面白シーンが苦笑いを誘うのであります。
例えば、電気ショックを受けて感電した女子が(ビリビリしているから)おもむろに踊り出したり、直後の残酷さを和らげるためなのか何なのか知りませんが素っ頓狂なギャグを見せてくれます。
殆どが滑っていますけれど、ビリビリダンスのくだりはあまりにもくだらないので大好きな珍場面となりました。

また、サメ映画界で「ジョーズ」と肩を並べる大ヒットシリーズである(?)「シャークネード」シリーズでお馴染みのタラ・リードも出演しており、「(サメが)竜巻に乗ってきたの?」などという台詞を吐き、更にはチェーンソーでサメと対決!
・・・みたいなサービスもブッこんでくれていますよ。


サメが暴れまわるシーンはモロにCGで、一昔前のテレビゲームの様な安っぽさは否めないものの、テレビ用だと思えばそこまで気にならず。
というか、「ゾンビシャーク/感染鮫」ぐらい酷くないかぎり、もう仕方ないなって悟りを開きましたよ(苦笑)
心を広くもてば、ただパックンチョするだけでなく、派手めな人体破壊を伴う捕食シーンもグッジョブ♪であります。
サメの退治方法も、この手の映画にしては斬新な絵面に「おおっ!」となりました。

序盤で「ジョーズ2」のラストをパクって、まるで映画が終わったような雰囲気からのデンキザメ展開。
こういう意外性をもたせようとするのは、良いんじゃないでしょうか。
細々した不満点も腐るほどありますが、色即是空、無の境地に達すれば何も怖いものは無いのです。
少なくともサメが飛びもしない「フライングジョーズ」よりも詐欺の被害は小さいし(あれ、本当は皮膚が硬い装甲サメなんだよね)、仏の心でデンキザメを受け入れましょう🦈
ビリビリ!⚡️


OSOREZONEにて