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イングランド・イズ・マイン モリッシー, はじまりの物語のKotaのレビュー・感想・評価

3.9
“この世界は僕に相応しくない。–だったらあなたの世界を作って。あなたは世界に一人で、ありのままでいるだけで既に特別なの。それを信じて戦って。”

80年代のバンド、ザ・スミスのボーカルモリッシーがザ・スミスを組むより全然前の話。閉鎖的なイギリスで社会に適合できず、人付き合いも下手で芸術だけを信じていたが打ち砕かれて、それでもなお自分を信じて進んでいく彼を描く。タイトルの“England is mine”は実際のザ・スミスの曲の歌詞から。

実はザ・スミスというバンドを知らなかったから見る前に予習も兼ねて聞いて、のっぺりとした声と哲学てきな歌詞によく分かんないなって感じだったけど、映画だとモリッシーという人となりが分かって全然歌に深みがでた。部屋に置いてある本や、レコードでその人のセンスがわかる感じは映画のDVDででも同じだよね。

そして何より目当ては“ダンケルク”のイケメンパイロットでおなじみジャック・ロウデン兄さんなんけだけど、この映画のコミュ症な役がハマりすぎてて堪らなかった。顔面偏差値が高いだけじゃなくて演技も上手いとは今後が恐ろしいな…。音楽モノなのにライブシーンが一回しかないところや、特に大きな出来事もなく淡々と進んでいくのが、ド派手な“ボヘミアン・ラプソディ”とは違ってまた味があって良い。最後のワイドショットの連続と、冒頭に書いたお母さんの言葉が好き。
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