たま

ゴッズ・オウン・カントリーのたまのレビュー・感想・評価

3.5
「生々しい性描写」
男と男の恋愛もの。もうブロークバック・マウンテンの時代では無い。

どんよりとした風景に閉塞感が漂う。
舞台はイギリス・ヨークシャー地方。
主人公ジョニーは、祖母と体が不自由な父と暮らし、家族経営の牧場でひとりで働いている。
ジョニーの 母は、幼い頃に家を出て行ったまま。

孤独で過酷な毎日を、ジョニーは酒と行きずりのSEXで紛らわしていた。

そこに季節労働者のゲオルゲが、ルーマニアからやってくる。
初めは会話も少なく対立もするが、ゲオルゲは羊の扱いに手馴れているばかりでなく、深い愛情を持って接している。また牧場の経営方法にも変化が必要だと考えている。

ジョニーの鬱積した日々に、ゲオルゲという新しい風が吹き込む。

羊の出産のため山に泊まり込む二人は、いつしか惹かれあっていく。
「ここは美しいが寂しい」
ゲオルゲの言葉通りの情景が広がる。
ヨークシャーは“神の恵みの地”と呼ばれているらしい。

父も、二人の関係に厳しい視線を送る祖母も、葛藤しながらも理解を示していく。

この映画では、男同士の恋愛が全く障害になっていない。
純粋な恋愛モノなのだ。

もうすでにブロークバック・マウンテンの時代ではない。
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