Fumie

ゴッズ・オウン・カントリーのFumieのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ブロークバックマウンテンだった。ジョニーが荒みすぎて見てられないなと思いつつ、そうなってしまうのも仕方ない気もしてしまう環境...。ただ形は違えどこのような環境って珍しいことでもないわけよね。窮屈で閉鎖的な街から出られない、家業を捨てられない、しかもジョニーの場合生き物を相手にするわけだから難しいよね、しかも動物好きそうだし。そして親の介護、母は不在、祖母は高齢で世話をしてくれている、そして自分は性的マイノリティ、なんかもう、胸が苦しい...。
誰かに理解してもらいたいけど、それすらも諦めているような、何にも期待ができず希望も見出せない、日々酒に溺れ不毛な関係を持ち愛を信じない求めないただ欲を吐き出す、ただ何となくやっているだけの仕事は父親に認められず、出産で子牛を死なせてしまったり、何も上手く回らない生活、なんかもう、辛い...。

ゲオルゲという新たな風が入って来て、何かが変わっていく空気。自然に囲まれた山で、動物たちと2人、仕事ではあるけど窮屈だった不毛な暮らしから解放されるなか惹かれ合い心を開き笑顔が見えるようになった時ほっとしちゃったよね。無邪気に笑うじゃん、って思ったよね。
静かで温かくて優しいゲオルゲ、ジョニーの心がどんどん解凍されていく。
2人で戻れて良かったよ、ハッピーエンドで安心したよ。
展開としては目新しい訳でもないけど、言葉数少ない2人の演技が素晴らしかった。

ただやっぱり私は性的描写が苦手なのでその辺はマイルドにして欲しかった気持ちはあるけどね。
Fumie

Fumie