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ミイラの呪いのノッチのレビュー・感想・評価

ミイラの呪い(1944年製作の映画)
3.5
干拓計画で沼が埋め立てられることになった。

しかし、25年前にミイラが消えたこの村に恐れをなした作業員たちは工事をためらう。

ある日、作業員の一人が沼で殺され…。

『ミイラの復活』(1940)、『ミイラの墓場』(1942)、『執念のミイラ』(1944)と続いてきたシリーズの第4弾で、最終作となります。

前作と同年に製作されているので、やはり流行に乗ったんでしょうね。

当然、ロン・チェイニー・Jrがミイラ男カリスを演じています。

物語は前作の25年後となり、もはやかつての事件は伝説と化している。

いつものミイラ物ですが、今回はアナンカ姫が動き回るので一味違うものになっています。

初めはしなしなの泥人形みたいなのだけど、近くの川でじゃばじゃば水浴びをしたらばなんと!

妖艶なエキゾ美女になっちゃった。

「ここはどこ?あたしはダレ?」

そして街の令嬢とガールズトークに興じたり、イケメン先生にちょっとときめいたり。

ちなみに恒例行事のように、神官が従者に過去の因縁を語る場面があって、やはり『ミイラ再生』の映像が使い回されています。

「もうわかったから」と言いたくなりますね。

さらに、一体どこから突っ込みを入れようかと首を捻らなくてはならないほどに多くの突っ込みどころがある。

真後ろまで迫っているカリスに全く気が付かずに車で走り去るカップル。

犠牲者の首を締めている間にアナンカ姫に逃げられるという余りに間抜けなカリス。

片腕を吊り片足を引きずるカリスがアナンカ姫を抱きかかえる際には何故か両腕が自由となり、アナンカ姫を降ろすと同時にまた片腕が定位置に戻るといういい加減な演出等々。

しかし外観の演出は悪くないようで、修道院の建物とか良かったです。

また、相変わらずミイラはノロノロで迫力不足でしたが、犠牲者が自分からやられに行ってる感は減りました。

ミイラ男は基本スローモーな動きだが、一瞬だけ素早い行動をするのが微笑ましい。

あからさまな惰性の産物なれど、妙に切ないトーンが印象的な最終作でありました。
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