るい

殺陣師段平のるいのレビュー・感想・評価

殺陣師段平(1962年製作の映画)
3.8

殺陣に魅入られた男⚔️


わては日本一の役者を使って日本一の立廻りを作ったるんや!って気概の殺陣師段平のお話です。

舞台は大正の大阪という時代劇でもなけりゃ現代劇とも言い難い微妙な時代設定で私的にはかなり好きな感じ。作風も喜怒哀楽と人間臭さが漂う雰囲気がとても良かった。

ジャケットとタイトルから雷蔵さんが殺陣師の市川段平なんかと思ったらそうではなくて中村鴈治郎が段平で、雷蔵さんは人気役者の沢田正二郎。

普段でいうとベテラン役者の中村鴈治郎に若手の市川雷蔵なんだけど、作中では売れっ子役者の沢田が先生と呼ばれ、段平は使いっ走りにされるという逆転がおこっているのが面白い🤭

雷蔵さんはリアルな役者よろしく作中も時代劇役者なので時代扮装をして舞台をやっている。立ち廻りにはこだわりがあり歌舞伎的な型ではなくリアリズムを求める。段平はリアリズムがわからず困惑する。

この作品の良さは色々あるんですが、雷蔵さんのビジュアルが市川雷蔵そのままでめっちゃ良かった。着流しに丸メガネがとっても似合う二枚目🥰髪型は時代感じるけど普通に今居てもかっこいいと思う!

「そうや、あのちよいんさんの鐘にちこおとおくれなはれ」

そう。京都のお寺の知恩院は「ちおんいん」やなくて「ちよいんさん」って言うんです。そういう方言もちゃんとしてて良かったな〜。あと中村鴈治郎が死にそうな役なんですけど、ほんまに死にそうやった😆演技がいい笑

映画化1作目の1950年版はマキノさんが監督で黒澤明氏が映画脚本に脚色したそうです!
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