ジャケットに写る男が段平だと勘違いしちまうおはなし。
回る回る、大阪弁がペラペラと回る老殺陣師、市川段平。
立回り気狂いが過ぎて、家族への配慮に欠ける大馬鹿野郎、市川段平。
このどこか憎めなくて愛らしいおっさんが、「りありずむ」だとか「しゃじつしゅぎ」だとか訳の分からない概念に踊らされながらも、殺陣に命を注ぐ悲喜こもごもを綴った物語だった…
…って、どーだっていいわそんなもん!!
おっさんの家族である、お春さん(田中絹代)やおきくちゃん(高田美和)が、俺は不憫でならねぇよ!!段平コノヤロー!!
…だから改めて。
一人の馬鹿野郎に振り回され、けれども彼を慕わざるを得なかった女性の悲哀物語であった。
あと京美人なおきくちゃん、めちゃくちゃ可愛かった。